下校時刻

終礼のチャイムが鳴ったよ
帰ろうよ
僕と一緒に帰ろうよ
僕一人で帰りたくない
早く帰ろうよ
どこに帰ればいいのか僕わかんないんだ
一人じゃ道に迷ってしまう
だから僕と一緒に帰ってよ

また今日も誰もいない

終礼のチャイムが鳴り終わっても僕は今日も帰れない

死んだのか

みんなどっか行っちまえよ!
僕は知らない!
僕の体蝕んで笑えよ!
僕は至らない
君も至らないよ
湿原の真ん中で待ってる
早く迎えに来てほしい

銀の罠、黄金の罠

どうしてこんなに淋しさを与えられるんだろう
甘い幻想から抜け出れない
ただの思い込みなのに
自分からいつも迷路にわざと迷い込んでるみたいだ
出口は数え切れないほどあるのに、一つの出口しか見えてないんだ
僕を孤独にさせるためにあらゆる人が操られて
僕に出会うように仕向けられているようだ
僕はそれに気付いてる
それを知りながら甘い罠に自分から入ろうと必死にもがいているんだ
みんな異世界から送り込まれたスパイなのに
僕はその謎を全て解こうとして、近づいたら
心臓を銀の矢で射抜かれるんだ
それからは刺さった矢が痛くて痛くて自分で外そうとするけれど自分では外すことが出来ないんだ
誰かに外してもらうこともできない
解決法は、矢が錆びてゆくのを待つか、違う相手に矢を射抜かれれば、先に刺さっていた矢は錆びてゆく、でも心臓に刺さっている錆びた矢はいくつもいくつも刺さったまま残るんだ
操られたスパイに射抜かれていたんじゃ、錆びた矢は増えてゆく一方だ
もう息も苦しくなって来てるんだ
操られていない者はどこかにいるんだろうか
僕はこのままじゃ心臓全てが錆び付いて死んでしまうだろう
僕の全ての錆びを消すことが出来る黄金の矢を持った者はこの世に存在するんだろうか
溜まった錆びが痛むよ、まだ増えてゆくのかな
夢の中ではどうしてスパイは僕に優しくするんだろう
現実ではスパイが優しいときは最初だけだよ
僕もう疲れたよ、疲れたから余計甘い罠にはまってしまう、あまりにも淋しいのでスパイでもいいと思って、また痛い目に合う
黄金の罠にはまりたい
僕の心臓射抜いてくれ

気付く前の変化、消える前の変化

空はあまりにも僕をなだめようと必死になってくれてるけど
僕の心はまだゆっくりにしか働いてくれない
ふいにほっとする時もあるけど
僕の中ではとても許されるような許されていないような
熱を冷ましてもう一度考えてみれば
なにもかもがすべてなんだかもう大丈夫にも思える

空があまりにも僕をほったらかしにしてるんだ
死んでも大丈夫だと、そう言ってほしくて
泣いて眠る子供のようにすべてを忘れてしまえば
僕はきっとどこへもゆけない

ふわり浮かぶ心がなぜか落ち着いてる
夏にも体温が恋しくなるのは
人ってそうゆう生き物なのかな
僕はそうゆう生き物なんだ
ただそれだけ

続くことも終わることも同じになるときがあるだろうか
出会えたとゆうことだけで生きてゆけることもあるだろうか
今の僕はずっと未来にはいないのかな
死んだら会えるといいな
僕はそれまで生きてようと思う
待っててくれるだろうか

もう二度と会えないなんて僕は思ってないんだ
そんなことは思えないよ

鉱石なお菓子

京都伏見珈琲粒々ブッセに鉱石が入っていた
小さく刻んだ琥珀がクリームに混ざって入っていたのだ
蛍光灯の下でキラキラと光っていた

原材料名に琥珀
とは書いてなかった
それは粒々の珈琲ゼリーだったのだ
透明な琥珀色で琥珀にそっくりだった

宇宙色に滲む体

風でもなく空気でもなく私の腕に今触れたものは
なんだっただろうか
一瞬だけ温かい感じがした

いつまで眠るつもりなの?
僕はいつまで待てるの

あと何度月に慰められて
あと何度太陽に虐められるんだろう

夕陽に手を振っていたら
夕陽は淋しそうにいなくなった

ここから星を見上げてあの星に行ってみたいとゆう
あの星に行ったらもう帰りたいとゆう

狼たちが遠吠えすると夜が子守唄を唄いだす

無表情の人が家に帰って悪魔の顔をしながら
お金を数えている
悪魔の顔をした人が家に帰って花に水をやっている

お母さんお父さんもう二度と帰らないの?
僕が悪い子だったから?

僕は誰かのライカ犬なの?
たった一人で宇宙に飛ばされて心のドアを開けないんだ
開けたら死んでしまう?
僕が生きれるのは後何日?決まっているの?

安心する眩暈

迷惑をかけたくなくて我慢していた
時間が過ぎれば落ち着くんじゃないかと思っていた
赤の血がいっせいに青になった瞬間
突然眩暈がしてその場にしゃがみ込む時間はとても早かった
諦めかけた優しさは時間を戻らせてくれるようだった
すごく苦しくて冷や汗がいっぱい出てきて吐き気がするのに心は安心していた
人の足が沢山私の横を通り過ぎる
真っ青な顔をしてしゃがんでいても誰も声をかけてきはしない
声をかけられても大丈夫としか言いようはない
だって私は私のために走って行った人を待っているからだ
戻った優しさは、震える私の腕に手を置いた
とても温かくて、抱きしめて欲しい気持になった
でも私にはそれは叶わなかった
母親を知らない私にとって母親の温かみを感じることは滅多にない
母親じゃないから甘えることが出来ない
後でその気持を言うことでさえ照れくさい

同じ母親から生まれてきて
同じ父親を持ち
血が繋がっているとゆうことは
沢山のいろんな思い出があるってゆうことは
他の人じゃ絶対に代われないとゆうことは
なんて切ないんだろう
なんて残酷なんだろう

残ってきたよ残ってきたんだ

点滅してるよ真っ直ぐに突き当たるような僕に
投げかけるのは昔の僕止まってゆうんだよ
僕もうどこにも行きたくない帰りたい帰りたい
ただもう帰りたいよ呼んでよ呼んでよ僕のこと
そこから呼んでよ僕帰りたいんだよあったかいところに僕帰りたいんだよまだだよってかくれんぼいつまで隠れてるんだよ早くでておいでよ待ってるんだよ君の事呼んでるんだよ帰ってこないつもりなのかい僕は待ちくたびれているよおいでよ今すぐおいでよいつまで僕待ってればいい?行かないでよ行かないで一人にしないで僕のこと一人にしないでって言ったじゃないかなんでなのさ僕どうしたらいいんだ僕帰りたいよおうちに帰りたいみんながいたおうちに帰りたいんだよ

ゼロからゼロへ

僕の天変地異からまだ救助はされてない
救助してくれる人は狐のお面を着けていることしかわからない

どこにいるんだろう
探しても見つからない
僕の記憶の中にしか存在しないなんて
そんな夢みたいなこと、夢に違いない

眠れば覚める夢と眠る夢
起きれば眠る夢と覚める夢
どれも、どこも、もう夢だ

怠惰な心と体はリアルにぼやけた夢に取り囲まれ、どこにもゆけない

水に音は反射して


透明の水玉模様の世界を作り上げるよ

私の手のひらの水滴を小さな蛍は飲みに来た

すぐに死んじゃうんだね
死をわからずに死んじゃうんだね

草の緑は濃くなって、静かな涼しい夜に
地球だって安心したいんだよ
宇宙だって夢を見るんだよ

どうすることもできずに

もう二度と戻れない景色を
いつまで見ているのか
僕にはわからなかった

欲しいものはなんですか
手のひら分の温もりを僕に与えてください
それだけで僕はきっと生きてゆけるのです

鉄塔倶楽部


鉄塔の中に入ると
そこは青い迷宮だった

視界の外

天が僕に振り掛ける重みは
全て霞のようにぼやけていた
それは僕が見ようとしないからであるのだが
見たくないのだから仕方ない
絶えず僕はそれに窒息しそうで
なにか狂った時空にいるみたいなんだ

雨宿りしてたら

遠くで誰かが呼んだ声が聞こえた気がした
白い空がいちばん近くに来て僕に手を差しのべる
僕は雨を身に纏いながら遠くの山まで走った
鉄塔に登って雨に沁みた景色をずっと見ていた
優しかった、全て優しかった
全てがとても弱くて孤独だとわかった
共鳴していた頃を思い出す
母親の胎内の中で僕は共鳴していた
悲しみを超えた場所が安らぎ
僕はそれまで震えを共鳴させるんだ