∞の夢幻

僕の身体を蛾が埋め尽くす
黄金の砂漠の真ん中で灰色の太陽は
黄色い空から逃げ去ろうと考えている
僕の蛾が死んで銀の太陽がそれを食べる
オアシスの憂鬱に付き合っていたら
硝子の太陽が反射して僕の蛾がまた死んだ
砂の中の一つの眼が覚めて僕を見る
一人で眠りたいんだ
だから眼を閉じて
静かに一つの眼は閉じた
僕の二つの眼もゆっくりと閉じた

黒い海

僕だけの住む家は真っ黒な海に流されて
僕は黒い海好きじゃない

でもどこに帰ればいいのか思い出せない

宇宙細胞は交信をして来た
けれど僕の眼が遮断する

方向を変えるなら緩やかなカーブがいいと
君は言った
そうかもしれないと僕がぼんやり答える

黒い海は好きじゃない
けれど何が好きか忘れてしまった

君の心僕は何一つ知らなかった

僕は僕で良かったんだ

繰り返したことなんて一度もないよ
僕は覚えちゃいない

黒い海に飛び込んでみればいいよと
君は言う
でも僕にはまだ勇気が足りないみたいだ
諦めが足りないんだよ

うるさいな、飛び込めない

君の声も遮断して僕に残ったものは

黒い山が見えた

満たされようと思う事自体が間違いだってさ

僕に何を望むの?
僕に望むほうが間違っているよ

くだらないな、言い争って

黒い海に僕の心を沈めているものは
僕なのか

愛しい全ての者へ

僕があなたに与えられるものが愛とゆうものであるなら
僕はそれだけが幸せになるのだろう

愛しい君、君を幸せにする方法が見つからない
もう後悔したくないのに

君を幸せにする方法をわかっているのに実行に移せない