25年間私はこの家で暮らして来た
この家でいろんな思いで生活して来た
この家で悲しいことも嬉しいことも
たくさん覚えては忘れたりしながら時は過ぎて行って
いつの日からかお父さんはこの家からいなくなってしまって
お兄ちゃんとふたりになって
猫はたくさん増えて
一緒に違う家で暮らしたい人が出来たけれど
私はみんなとの想い出がまだそのまま
存在しているこの家を手離したくない
みんなとも離れて暮らすなんて
淋しくて不安で心配で仕方ないよ
知らない町で暮らすことは憧れる
けれど私はやっぱりこの家が一番大好きだよ
みんなといたこの家が私の一番の居場所なんだ
わがままかな
君の事困らせて苦しませてしまうかな
私はこれ以上もう誰も何も失いたくなくて
私がこの家から離れることがとても怖いんだ
君の家族も君が遠くに行くと、とても淋しくなるんだ
私と君が一緒に暮らすって事は
誰かを淋しくさせてしまうことなんだね
どこまでも甘美なまでの死よ
死んだらどうなるんだろう
どんな宗教も生まれ変わりの話なども
僕は信じられない
信じて裏切られたくないんだ
人を批判する人間はなんて淋しい人だろう
僕が必死に生きてきたのは自分を必死に守る為だった
僕は誰かにもらわれたい
僕の意思尊重など下らないことだった
信じているのは一緒に過ごした時間だけ
想い出は僕を裏切ったりしない
死と交わす瞬間
僕は初めて生きていたことを証明するだろう
僕と少年
少年は真っ白なブラウスを
透明な風になびかせながら
夕焼けの空の下を駆けてゆく
懐かしい想い出の場所まで
透き通ったその目が見ていたもの
僕はちっともわかってなかった
僕の知らない世界を少年は
昔からずっと知っていたんだ
僕の中に住んでいる少年を
僕は何度も汚しながら傷をつけて
何が大切なのかを忘れた振りして
生きてゆく時が来るなんて
あの頃の僕は知らなかったんだよ
君のことを大事に育ててきた
僕は今でも君に近づきたいよ
あの頃のままの空を君は今でも
心の中で僕と一緒に広げてみせた
この切ない気持ちをあの人とも
同じ空の下で分かり合えるかな
大切な人が増えてゆくのは
嬉しくて悲しいことだよ