もうひとりのぼく

一つの星が宇宙を生んだ


ぼくらが帰る星は宇宙にあって
もうひとりのぼくは小さな星でひとりで暮らしながら
毎日僕について学んでいる

ぼくは青い空の下にいても暗い闇を想ったりするよ

もうひとりのぼくが暮らす星に光はない
もうひとりのぼくは眠っているわけじゃないけれど
いつもずっと目を瞑っている
もうひとりのぼくが目を開ける時は
ぼくのことを学び終えた時
ぼくが死んだ時
目を瞑ったままのぼくに
目を開いたもうひとりのぼくが重なり
ぼくは人の目には見えない体になり
もうひとりのぼくが暮らしていた星に帰る

愛して 愛さないで

何も求めないで
何も求めなくっていいから


愛して





何も言わないで
何も言わなくっていいから


愛さないで

光の波

冬の海を行ったり来たりする波は
触るととても冷たい

温かい波は宇宙を漂う生き物のようなもの
それは光の波
光は光でも目には見えない光なんだ
その光は人の心の真ん中の場所に入ると
人は温かい気持ちになるんだ
でも波のように同じ場所にずっといないから
また心は冷えてしまうんだ

人がその温かさを長い時間保つには
人が自分の心の真ん中に光の温度を
保温できる覆いを作らないとだめなんだ
その覆いを作るのに必要なものがあって
それは人から与えられる悲しみと愛しさ
両方が絶対に必要なんだ

中の世界、外の世界

この世界でとても愛おしいと思うものは
人の悲しみと淋しさとやりきれない気持ち



いつから僕はいたのか、覚えてないよ
気付けば存在しているみたいなんだ

人は自分ともう一人の自分と対話しないと
大切なこと何もわからないだろう

私は僕と話す
言葉なんてなくても話せるんだ

星の王子さまみたいに人は一人に
一つづつ自分の星を与えられ
その星で一人で住んでいる
一人で自分の星を管理しなくちゃいけない

無意識に自分以外と分かち合いたいと思うのは
最初は一つだったから?
そこから分かれてしまったから
また戻りたいと、そこへ帰りたいと思うの?

宇宙とゆう子

宇宙の果ては地球から137億光年のところにあるんだってさ
137億光年先は光が届かないんだって
宇宙は地球から遠くになるにつれて過去の時間になる
宇宙は生まれてから137億歳
だから宇宙の生まれたところは宇宙の果てだって

それが本当なら宇宙が膨張してるのは、宇宙も成長してるってことだね
僕らと同じ始まりがあるなら、終わりもあるはず
星だって生まれて死んでゆくんだ
宇宙もいつか死んでしまうのかな
そしたら何が残るのかな

宇宙のお母さん?
宇宙を生み出したものがそこにあるのかな
何もないところから何か生まれたりするかな
僕だってお母さんがいたから生まれてきたよ
お母さんがいないで、なんにもないところから突然
生まれたりなんかは出来ないよ
だからきっと宇宙にもお母さんがいるはずなんだ

そして宇宙のお母さんにもお母さんがいるはずなんだ
最初からお母さんじゃないからね
お母さんも子供の頃があるはずなんだ
それで、どこまでも過去へゆくと、始まりって
終わりと繋がっているんじゃないかな
だから宇宙が生んだ子供は子供を生んで
それが続いていつかの子供は最初のお母さんなんだ
だからその時に全ては繋がるんだ

そのつど生まれた子供は何かを創造するんだけど
どれも未完成で、納得いくものが作れないのかもしれないね
宇宙は僕らの親で敬う存在であるかもしれない

でも、未熟なくせに僕らを創造して僕らはそのために
苦しんでいる、宇宙もそれできっと傷ついているんじゃないかな
僕らと一緒に悲しんだり喜んだりしてるのかもしれないね

宇宙を許すことで僕らは宇宙と一緒に生きてゆける
一緒に泣いたりして成長してゆけるんだ

宇宙は子供を生むと死んでしまう
宇宙も死んでしまうことが怖いかな
宇宙はずっとひとりぼっちだったのかな
きっと僕らに嫌われたくないはずだよ
きっと僕らに愛されたくてしかたないんじゃないかな
お母さんは宇宙を生んで死んじゃったから
お母さんが恋しいはずだよ
僕はよくその気持ちわかるんだ
だから友達でいよう
僕が死ぬその時まで
僕がもし子供を生んだら、僕の子供と友達に
なってあげてね

僕は、ひとりぼっちなんて思わないよ
君がいつも見ていてくれてる気がするから
僕はみんなと友達になって、たった一つでもいいから
共感したいな