気付くと僕は教室にいた
とても暗い
先生も生徒も影だった
何を話してるのかわからない
授業中なのに僕は外へ飛び出した
土砂降りの雨が降ってて
途方に暮れていたんだ
気付くと僕は湿原の真ん中にいた
周りを囲む遠い地平線が霞んで
足が冷たくて
帰りたいのに帰る場所がない
空がないようだった
気付くと僕はモノクロォムの海を眺めていた
とても静かで落ち着いていて
隣に人がいたんだ
なのにまた影しか見えない
僕の鼓動が止まりかけていた
気付くと僕は家にいて
今日の晩御飯を何にするか考えていた
ステレオから音が溢れて
お父さんがもうすぐ帰ってくる
僕が作ったごちそうみんなで楽しそうに食べてるんだ
ごちそうさま
次はどこへゆこうか
呼んで欲しい
僕をこの世界から連れ出して
閑古鳥
閑古鳥、カッコウはカッコウとは鳴かないな
閑古鳥は鳴いていたのか
閑古鳥はひどい鳥でしょう?
だってあのほかの鳥の巣に
卵を産みつけて
もとにいた雛を追い出して
自分だけ餌もらって育つ鳥でしょう?
ああ、そうだね
そうゆう卑怯なところみたいなの
なんか僕そっくりだなあ
カッコウの鳴く声はとても好きで
そんな卑怯な鳥なのにその鳴き声は
とても寂しそうで安心する
安心する音
安心する声
君も僕の声を聞いて安心するのかな
こんな僕の声でも
カッコウみたいにさびしくって
いつも泣いてばかりいるんだろ
人傷つけるのだけ得意で
死ぬ時は鳥のようにみんなの
知らない場所で死にたいって
そんなの嘘だろう
ひとりで死ぬのはとてもさみしいものさ
悪夢
悪夢5日連続で見た
君の声はどんな色
僕の体が溶けてく
死んだ時より透明
食べれないからこれあげるよ
欲しくて欲しくてたまらない
性的エロス蹴破ってここまで来て
死にたいならこれを食べさせてあげるよ
僕の作った味が好きなのなら食べれば
そうやって血の味さえ忘れてくんだろう
もうこんなのたくさんさ、忘れてゆけ
好きな人なんかどこにもいない
僕はどこまでも自由だから、邪魔しないで
自由の翼を手に入れたんだ
僕は飛び立った、羽根が折れそうで
でも迷わず飛んでいた、死にたい思いは
ここからまた始まる、始まればいいんだ
殺してください
時間が来たようだ
さよならだってわかってる
僕の為なんだね
悲しくないよ、泣かないで
斜線状に光が降って来た
ママが僕の好きなチキンを焼いてる
出来上がる時間までに僕の呼吸を止めないで
悲しませたくないんだ
君はもうここへ入れるよ
今なら飛べる
飛べるんだよ
行かないで
心配なんだ
心配させる
君ならここへ入れるよ
今飛びなよ
飛べるから
行かないで
心配しないで
大丈夫だよ
遺書
昨日うさぎの首しめた
今日夢でうさぎ殺された
僕は死体
君も死体
こんなので生きてるって言わねーんだよ
ばーか
ばーか
僕の腐った体川に投げ捨てろ
そしたらデイダラボッチに変身して
この世を滅ぼす
そしたら後悔して僕は死にました
みんな嫌い
ホームセンターに友達と行った
可愛い子猫がいた
子猫を買ってくれないから
その場にしゃがみこんだ
友達は車で待ってると言った
大丈夫ですかと何人にも声をかけられた
救急車に乗せられた
うちに帰ってきて一人になったら
腕を少し切った
みんな嫌い
大嫌い
白ワインを初めて瓶ごと飲んだ
みんな
みんなが
幸せでいてほしいのにさ
どこかで
かならず
だれか悲しんでるんだね
泣いているんだね
痛みは自分だけのもの?
んんん、違うよ
僕も悲しい
君が悲しいと
オオカミ
ねえんすよ
別に
好きで
ねえんすよ
僕の天使だ
ばかか
そんなもん
どこにも
いねえんすって
天使だ
笑ってた
逃げてった
飛んでった
オオカミめ
ガオーガオー
てんめえ
オオカミのくせしてよお
僕の天使は
どこにもいねかった
いねえん
いねえくっても
笑ってて
どこかで
笑ってて
また戻ってこなくてもいい
わらってりゃいい
どっかでわらってりゃそれでいい
こどもの庭
ぼんやり夜の公園眺めてた
子供の声はどこか消え去って
頭痛が治まらなくて
僕の好きな人どこにもいなくて
ブランコ乗ってみたけど
楽しくないんだ
すべり台滑ってみたけど
嬉しくないんだ
怒られたって
叩かれたって
ついてゆく
子供はとてもけな気だね
嫌われたって
ほったらかしにされたって
ママが大好き
パパが大好き
大きくなって
ママやパパ以外の人
好きになっても
同じなの
何されても
君のことが一番なの
遊んで帰ったら
今日何して遊んだのって
聞いてほしいの
怒られて
泣き疲れて
私が眠ってる側に来て
頭撫でてほしいの
そしたらぐっすり眠れるね
怖い夢ももう見ないよ
僕のところへ
君もいつか帰ってくる
子供のように
遊んでるんだ
いつも遊んでる場所
ほら、笑い声が聞こえる
壊れても
夢では笑ってた
楽しそうに笑ってた
なんでかなあ
何もかも壊れたのに
なんで夢では幸せだった
僕は少しずつ壊れてきてるから
いつか動かなくなる
でも忘れられないんだ
忘れたくない
耐えてくれよ
なあ、私
生きるしかないんだよ
なあ
なあて
なあってえ
今までそうやって生きて来たんだろ
叫んで狂って腕切ってODして
人好きんなって
誰かまた好きになれるだろうが
諦めんな
吐き気と動悸と眩暈抱いて眠れ
今救い探してる
助け求めてるから
安心しろよ
涙も出なくなった
ああ、誰か呼んでる気がする
どっちからの声だ?