ナイフを買いに行こう

お酒も酔えなくなった

煙草吸えそうにない

うん、だからナイフ買うことにしたよ

かっこいいやつ買って勝手やるんだ

外行く時は必ず持って行くんだよ

もう誰も僕を脅かすことができないように

僕の目がいつも違う場所を見てる

君たちを見ててもつまらなくてしかたないから

僕の指一本一本切り落とす

笑うため

全ては笑うために

望む世界

ご飯粒がウジ虫に見えて仕方ない(お食事中の方済まぬ)

やっぱ嫌だ、普通に働いたほうがましだ、きっと

やっぱ自分殺したい

ただでさえ被害妄想きついのに

この姿じゃ余計出たくないな

シロップに癒されよう

結構毎日部屋の前すぐ傍で家族の楽しそうな声聞こえて

悲しくてさ

ほんと悲しいだけでさ



僕にもあったんだ、あんな幸せが

どこ行っちまったんだろ

束の間の幸せではあった

苦しいときのほうがずっと多かった

でも、思い出すと、つらいのはもうどうでもよくって

みんなで笑ってた時間だけ胸にずっとあるよ

眠っても仕方ないだろ

僕は今だれ一人幸せに出来ないんだから

眠りに就くことさえ意味がないよ

誰かの愛ってやつがあれば働けるのか

それでも僕はもう駄目なのか

わからない

わかってはくれないよ、この心は

死を望む世界なんて最初からないさ

望むものはみんな同じじゃないか

僕はだんだん一人になって行ってるけど

今日だってお父さんは夢に出てきたし

なんとか悪い過ちは起こしたくないって思えたし

停滞だとゆうなら停滞の場所でしか上昇しない場所に僕らいるはずだって

そう言ってくれる人がたくさんいるんだよ

僕の世界はきっと、どれもどれも僕にぴったしだから

笑うことだって、たまにはできるさ

神は死んだ

僕はもう生にも死にも興味がないな

今興味があるのは狂気

でも本当は全てに興味がない

僕の心も、もうつまらないな

僕は神になりたい

そして一人の少年を世界にたった一人で住まわせるんだ

そしてその少年の苦悩を見て楽しんで暮らしたい

少しでも楽しんでいたから少年を殺した

僕は一人になり、殺したことを後悔した

新しい少年を作っても、殺した少年を忘れられずに

一人で泣いていた

僕はそして死んだ

神が死ぬだって?

じゃあ、神に創られた僕はどうすれば?

神を殺したのは僕だった

忘れてしまっていたよ

僕の苦悩はもう誰にも指図されなくていいんだ

ここは僕の楽園

僕たった一人の楽園が死ぬまで続くようだ

落とし穴

寂しくて人を好きになるのなら

一人でいたほうがいいんだよ

喜びの後に悲しみはやってくるんだ、いつもね

僕のことを一番好きなのは僕だ

それでまず安心だとわかったんだ

間違ってるなんて言わせないさ、誰にも

孤独が孤独と落ち合う時小さな落とし穴が出来る

僕ら一緒に落ちたと思ってた

けど、落ちたのは僕一人だったのさ

勘違いしていただけで、幸せって蝋燭の炎のように

簡単に消えてしまうんだね

僕はそれをなんとも思わない

だって簡単に這い上がれるから、こんなものは

僕には大したことじゃない

何度も落とし穴自ら掘ってそこに落ちるまでさ

楽しくて悲しいから好きさ

冷たい土が僕は好きなんだ

翳に住むみんなといいお友達になりたいね

少女が展開してゆく

女の子の子供が欲しい

母が私にできなかったことが多すぎる

母ががんを発病したのは私が二歳の頃

その二年後に母は他界した

私と母の間に思い出が存在しない

母は死んでしまったのだから、母の中にも

私の記憶がない

女の子の子供がどうしても欲しいのだ

それは私の子供時代を取り返そうとしているのだろう

母と私を、その中に生き返らせようとしているのだ

私が母になるなら、彼女は娘だ

娘に自分を重ね、自分に母を重ねる

私には女の子の子供がどうしても必要なのだ

私は母親にならねばならない

私は母が私を育てられなかった人生を

生きなくてはならない

私は女の子を産まなくてはならない

少女を育てて一緒に生きて行かなければならない

少女が展開してゆくならば

母の続きさえも展開してゆく

果てのない場所へ

玄関で何か物音がした

なんだろう、と思い僕は確かめに行ったんだ

すると、封筒が一枚落ちていた

うまく言葉で言い表しにくいけれど

その封筒はとても美しいと思ったんだ

差出人も何も書かれていない封筒

僕はそれを開封した

一枚の手紙が入っていた

そこにはこう書かれていた



“こんにちは

きみは どうして そんなに げんきが ないのでしょうか

きみに おしえましょう

きみが はなればなれに なった ひと いきもの たちに

あいたいの ならば おしえます

あいたい ですか”



僕は、それからずっとずっと、会いたい、会いたい、会いたい、会いたい

って心で言い続けた









また同じ封筒が玄関に落ちている!

僕は慌てふためき震える手で封を切り

中を見た、




あぁ、なんてことだろう!

僕は、わかった!

そこへゆけば会えるんだって!



僕は急いで友達に連絡をした

みちたの世話を頼んだんだ

そして、みちたにこう言い残した

「みちた、しばらくここへは帰れないかもしれない・・・

でも、僕は必ず戻ってくるよ、いいね、待っていてくれね

じゃあ、いってきます!」



僕は家を後にした

あぁ!なんてことだろうか!

この僕が行動を起こしているなんて!

まるで今まで生きてきた悲傷すべてが消え去ったようだ!

だってだって!僕は会えるんだ!

みんなに会えるのだから!

僕は嬉し涙を溢れさせながら歩いた

歩いた!

僕はやっと歩きだすことができたんだ

僕の心はとても幸せだった

何も持って来なかったことに気付いたが

僕は今までで一番の幸せを感じていた

会える、会える、会える!みんなに!

会いにゆける!

僕はその場所まで進んでいる

軽やかな足取りで強く深く地を踏んで

僕は進んでいる!

僕らは進んでいる!

僕は、そして帰って来る

みんなを連れてここへ帰って来る

少し、待っててくださいね