暗いところで洗濯を回していた
暗くて怖くもあったが暗くない場所はないようだ
闇の中に蠢くもの、それは猫だった何匹もいる
見ると窓が開いていた、わたしは急いで閉めた
猫を逃がさないように、わたしの慰みである猫を
出口を塞がれて猫たちは半狂乱の如く暴れ出した
中にはうちで飼っている猫も混じっている
危ない、まだ生まれたばかりの猫たちがいるのに
わたしは不安になりながらもどうすることもできず眠った
一匹の猫に腕を噛まれ目が覚めた、宥めようと猫を撫でた
猫は噛み付いたままだ、目を開けてみると猫の目は化け物のように
鈍く光り、また耳は猫のような形と違っていた
撫でても猫はさらに激しく今度は腹の方を噛んできた
このままでは食い殺されてしまう、この猫は何故こんなに怯えているのか
これは猫ではない、一体何が猫をこのようなことにしてしまったのか
わたしだろうか

現実に戻され思う
あの化け物と化した生き物はわたしが温めたばっかりに苦しむ運命を
もたらされ、わたしを恨んでいるうずらではないか
わたしが温めなければうずらは痛みも痒みもなく生まれる前に死ぬことができたのだ
うずらが生まれるかどうかはわからないが、今
殻の中で苦しみもがいていないかどうかどうわかることができよう
死よりも誕生させることこそが幸福なのだと、そう思うことが間違いであったなら
生よりもただ苦しみを与えられたくないことがうずらの願いであったなら
うずらがわたしを生涯恨んでもしかたあるまい
生かされることが、殺されることと全く同じなのだと、そう言いに来たのだろうか

次には今度は獅子に何度も襲われそうになっていたが
わたしは何を恐れているのか
それは、わたしがわたしの中に生まれるか、死ぬかとしている一個の
得体の知れない化け物のような思考である

メインディッシュ

サラダを作りすぎた
手作りドレッシングを作ろうとしている
そうだ、それにブロッコリースプラウトを入れようか
早く使わないと腐ってしまう
いつもの食卓
いつもの台所
起きて気付く、夢の中に出てくる家はいつもあの家だ
メインディッシュがなんだったか思い出せない
一体何がメインでそんなにサラダを作ってたん
お父さんがそこにいた
お兄ちゃんはまだ仕事だ
帰ってきてからかけるほうがええやろから、ドレッシングは瓶に作っておこう

わたしは一体何を失ったのだろうか
失ったものに気付かせるように、こうしてたまにもう戻れない日々の夢を見る
しかし思う、あの頃手作りドレッシングなんて作ったりせえへんかったやん
戻れたとしても戻れない日々が一体どこの時間軸の中に存在しているんだろう
戻れたとしても他人のような顔でしか顔を合わせられないわたしは一体いつ
死を経験していたのだろう
気付いたら、わたしが失ったものはわたしのすべてだった













死のない死

過ぎていく毎日が違いすぎる
人は飢えに苦しみ、人は殺され、人は罪悪に一生を殺そうとする
空虚に沈む虚無に諦めすべて見下そうとする、誰の為でもなく
人が人らしく生きるそれが何を意味してるか人が悩み苦が絶えず他者に苦が連鎖
死の瞬間だけ生き延びていたい、何があろうと、私は生き延びたいと
そう思うのだろう
あなたが知らない、わたしが知らず、あなたも知らず、誰も知らず
真っ白に、または真っ暗に、何も意識しない、思い出すことも無い
そこが何と言えるだろう、人は見たこともない、人は想像もできない
そこを何とも感じない、人も人でない、何であるか、わからない自分
自分もない、なにがどこにどこにそこにあるあれがなにでそれはなにか
人が見る全てが消えてゆく、そこを見るわたしは何でいるか、知らない私
私の視界に映る全てが空虚で仕方ない、誰も見ていないのと同じではないか
いったい誰が私になってくれるのか、私の理解なくして、死のない死よ

百年の闇

心臓がヤバイ
心臓がやばいのに酒を飲む
嗚呼、そうか、俺は命をなんとも大事にしとらんのやな
人間とは人間の想像する餓鬼のようだとつくづく思う
人間は人間がだいたいまともだと思ってるのかも知れないが人間は人間が思うよりおぞましい生き物だ
人間とは人間が思うより以上に絶望に値する
地獄を知らん人間が他者に地獄を味わわせると言う
地獄から救わんが為に地獄へ突き落とそうと思う
あなたはどう思うか
そう神に言われて
なんと言ったと思いますか
なんて言えますか、あなたなら、そう、あなたです
わたしの愛する、わたしを愛するあなたです
あなたは何故狂わない、このような世界に生きて
百年真っ暗闇の世界にたった一人で暮らしてみて思った
ああなんてここは救われた世界だろうか
地獄、いったい此処の何処が地獄か、あなたは本物の地獄を知らない
あなたに言う、わたしの知る闇からあなたは救われた
あなたの孤独が可愛らしい
あなたの苦しみが愛らしい
あなたをわたしは愛するように
わたしをあなたは愛するように

ガタロ

ぐひょひょひょひょひょひょひょ
べへへへへへへへへへへへへ
たりらりらららららららららららぁ
まめめめめめめめめめめめん
べけらっさるるるるるるるるるん
よこしまよこはまままままままは
てろてろぱーてぃちひひふほべら
もくわしちくわのあなからこんにちは
きのうなにくうたそんなこときくなどあほ
めがめがめがろどんどんぶりどんこ
きみのくそけんがいにとんでいけまじで
しょおこりもなくべらべらべらんばりばり
おとといおれがきったうどんかえせばか
ばかはなおったらしねこころのかなしばり
からすとからすのなかたがいきんかんくう
みたらしだんごよもぎだんごかしわもちだ
もずくはうみのなかでなにをかんがえている
のかおまえはしってるのかしってないだろう
YOUこそしりこだまようかいえんきのこじま
またつむりってなにカタツムリやろあんた
ばかねおほほもうさいけっかんありまくりだ
しのごのいってないでしごのことでもかんがえて
きかいべんぜばーとうじょうあらわるあらわれたよ
にげろおにげろおやられちまうぜへへへおいらの
しりこだまぬかせるかよばかめおまえのかおってさ
がたろだねがたがたいうなよがたろうおまえがたろう




神は死す

1981年8月、分娩台の上の母の胎内から出てきた俺。
1985年5月、ダイニングで棺桶に入った母の姿を眺めている俺。
2004年1月、父の葬式の帰りに空を見上げた俺。
2012年7月、何にもすることがなくて何か書いてみたけど苦しいだけの俺。
ところで俺の神は死んだ。
と思う。
だって何にもすることがないんだもん。
だって何もしたいと思えないんだもん。
このまま死んでゆくならば。
俺の一生はなんやったんやと思えなくもないかな。
まあ人生こんな時期も一年二年あってもええんちゃうって、偉い作家に言って欲しいんだろ、どうせ。
おまえなんかどうせ何も出来ない人間だ、わかったか、ちゃんちゃら可笑しいぜ、お前に何が出来るのか、言ってみろ、おまえに出来ることってなんだ、何が出来るんだ、そんなんで、そんなんでなんか出来るわけないやん、ないやん?おまえなんかドブにはまれ、はまればいい汚いドブに、最悪なことになればいい、おまえなんかおまえなんかおまえなん顔前なんか?顔前についてんのかおまえなんか、どぶにつけろそんな顔、今よりはマシになるだろう、おまえなんか無意味に生きて無意味に死ね、この世で一番無意味に生きて死ね、わかったな、わかったらいいだろう、顔をあげなさい。はい、神よ。上げました。顔を洗って、それでも生きろ、わかったね。はい、神よ、わかりました、こんなんやけど、俺生きようと思う。生きていこうと思うよ、神よ。それでいいんだよ。それでいいのかー。いいんだよー。
脳内に蝉が繁殖する夏、俺はどうしたら精神病になれるのだろうかと考えていた。

感情七号線

http://vimeo.com/12884758">食肉、ペット、革、毛皮製品、動物実験、娯楽産業、狩猟、人間たちはあらゆる動物たちを利用し、利益のために虐待、殺戮を繰り返しています。彼らは私たちの知らないところでどのように虐げられ、殺され続けているのか。真実を撮ったドキュメンタリー映画「アースリングス」をご覧いただけます。http://vimeo.com/12884758






肉は喰えないけど魚は喰っちゃおうか、挫折?んなあほな、そんなんするかぁどあふぉぅ、ってね。
真っ白い四面に囲まれた通路を俺は自転車飛ばして走っていた。
なんかえらい変わったなとそう思ってブレーキも踏まずめちゃくちゃ飛ばしてたんだ。
人の横をすんげえスピードで通り過ぎンだぜ、気持いぜ。
一歩間違えれば人殺しってやつだ、危なかったけど、ちゃんとその細い隙間をすり抜けられるんだ。シュンッ!ッてね。
学校なんだ、そこは。
僕の教室を探していた。
そこはまるで地下シェルターのようで、白く冷たそうな壁四面の中に生き物が蠢いてるのは不気味だった。
たくさんドアーがあって何か書かれている。
僕の教室を見つけて入った。先生はまだ来ていない。
よーみんなー、顔なじみの顔ばかりってチャットの芸カテのみんなじゃん、ってね、あはは、楽しいね。
俺の机の前、椅子にどっかと座る、先生来るまでマンゴーでも食うかなっつってマンゴーの皮を剥いたりしていたら先生が教室に入ってきた。
机の上には皮の剥かれたマンゴー、オロナミンCみたいな空き瓶、酒、いろいろ乗っかってる、急いで俺は机の中に入れた。
先生こっち見てる、やべえ、ほぼばれてる。
でもみんながみんなそんな感じだから先生誰も注意しない。やったね。
授業中、俺はクラスメイトに誘惑される、しかし目の前には恋人が・・・くわわ、俺はこんな誘惑には負けん・・・。
なんでもない振りして後ろ向いてしゃべってる、先生に見つかる、「こらぁ~そこ何やっとるー」
やべ、んで、給食のお時間でぇ~っす、へへへ今日は何かなァ~?
みんなで並んで皿を受け取ってさ、懐かしいね、わくわくするよね。
恋人がヤンキーとなんかしゃべってる、嫉妬の嵐・・・、何してんだぁ~?って行くと恋人の皿ん中になんか入ってる、何これ何これー、で見たら同じものが僕の皿にも入っている。
喰ったら、この前作ったニョッキみたいでさ。

すべてを洗い流した後の夢を見ているようだった。
今現在、も。(冷てえ雨か温てえ雨か知らねえけど。)