ヒラサワ・ドリーム

ぼくは空港のロビーのソファにひとり座っていた。
左側には人々が忙しく行き来して、そこにいつ飛び込んでいくのかわからなかった。
ぼくがどこの国へゆくためにここにこうしているのかさえ、なにもぼくは知らなかった。
まるで、とほうにくれてなにをどうすればいいかわからない迷子の幼児のようだった。
実際、自分が何歳の姿でいるのかもよくわからない。ただぽつんとそこにいた。
気づくと僕の右側のソファに知らない男の人が座っている。
ぼくはその人をしらないのに、その人はぼくの何かを知っているようだった。
するとそこへ、僕の大好きな平沢進が現れた。
ぼくの向かいのソファに座り、ぼくを見ているのかぼくを透かした後ろを見ているのかわからないような目でぼくのほうをヒラサワは見ていた。
そしてヒラサワはぼくの右側にいた男の人に静かに声をかけた。
何かを真面目な顔で話している。
どうやら「この子を養子にしたい」という話を持ち掛けているようだった。
ヒラサワがぼくを養子に?!
ぼくはとんでもなく幸福だった。
きっとぼくは、ヒラサワに父の姿を重ねていたのだろう。
ヒラサワはぼくの望む父性と母性をバランスよく持ち合わせている人のように思えた。
きっとヒラサワの目にはぼくが小さな女の子に映っていたのだろう。
ぼくはわくわくわくわく胸をときめかせてその様子を眺めながら静かにいい子にしていた。





可笑しな夢

[2:42:07] kozue ueda: 今日、奇妙な夢を見たんだ
[2:42:34] kozue ueda: 知らない家にお父さんといるんだけども
[2:42:44] kozue ueda: ベランダになんか棚があって
[2:43:03] kozue ueda: ちょっとだけSFチックな感じで
[2:43:49] kozue ueda: で、お父さんとくつろいでたら、突然その棚の上にあるなんか顔の置物がしゃべりだして、ぎょっとするんですよ
[2:44:05] kozue ueda: でっかい顔だけの置物
[2:44:21] kozue ueda: なんか奇妙なメイクしてて
[2:44:41] kozue ueda: で、よく見たら、お兄ちゃんやったのw
[2:45:24] kozue ueda: その棚の後ろにお兄ちゃんがもう何時間も前に隠れてて、でそこに顔をはめ込んで、驚かそうとしたみたい
[2:45:51] kozue ueda: ずっとそこでじっとしてたんだと思うと、おかしかったw
[2:46:02] kozue ueda: 根性を見せてもらえたw
[2:46:34] kozue ueda: 変な夢を見るもんですねw
[2:47:21] kozue ueda: だからさ、顔をはめ込んで、じっとしてたわけなんだよねw
[2:47:32] kozue ueda: で、私もお父さんもずっと気づかなかった
[2:48:10] kozue ueda: なんか、寂しいというかw
[2:48:17] kozue ueda: ずっと気づいてもらえなかったんだっていうw
[2:49:19] kozue ueda: まあ気づいてたら、ぎょっとさせられなかったから成功なんでしょうね

上辺の世界

ぼくらはみんな水面を泳いでいる。
そこは、上辺の世界だ。
水面には、光がたくさん反射する。
強い光をぼくらは吸収して生きている。
水の底は、とっても暗い。
真っ暗でなにも見えない。
そこには、ほんとうのぼくらが眠っている。
ぼくらのまだ知らない、誰も知らない自分が眠っている。
誰もまだ知らないからそこはとっても暗い。
そこで眠っているほんとうの自分はすべてを知っている。
でも眠っているんだ。
ぼくらのなかで目覚めることなく、まだ眠っているんだ。
すべてを知っているのに、まるでなにも知らない赤ん坊のように眠っている。
ぼくらはなにも知らず、光の水面を泳ぐ。
水面は眩しく、あまりに素晴らしく、底のないほど悲しい。
上辺の世界で、底のない世界を知ることがぼくらにはできるだろう。

怒涛の愛HASEKRSW

2016年、恒心教です!
俺は今年に生まれてきて、去年には死んだ白魔術くんナリ。
耳のある者は聞いてほしい。
命を削って俺は書こうと思う、何をか。
何を、何を書こうか、死神の血は金色だったという結末から先に書かねば仄めかしのゴリホーモ認定を受けるかもしれないが、ここはひとつ、なんにもないところから始めたいと思います。
思えば嘘しかついてなかったのに、どうして真剣に生きてきたんだ。
おっかしぃやろー、それ、おっかしぃやろー、中の人、どうゆう顔してるンゴ。
俺は顔が見たいと思った。どうせ死んでるんやろ、そう思った。
自治会費払ってる顔なのか、見極めたかったのもあったンゴ。
ちなワイはなんJ生まれのなんJ育ち、当職を馬鹿にする者は赦さないナリよ。
ここで希望の全員が、枕を失った。移住地に居住したのち、全員をこれ集め、匿名会議は行われた。
「君の会社の弁当の揚げ物の衣ってなんであんなに大きいの」というテーマから話し合われたが、誰一人、答えは見出せなかった。
いい答えを見出せなかった自辱の思いに全員が絶望した。
しかしこの時、某弁護士が突如現れ苦しそうな吐息交じりで「非常に、ハァ、人生にとって、フゥ、もったいのない時間だとホォ、思うフゥ」と言い残し静かにどこを見てキメルでもなく去って行かれた。
恒心教徒たちは、とっさの出来事にこれ、みな唖然としてしまい何する術も持たなかった。
みな中身のないことをワイワイガヤガヤと賑わしく打ち述べていた時、三十路の白魔術くんはこれ一人自撮りの加工作業に勤しみ、光を失い果てた目を中空に投げかける。
誰かが突然「ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!ブリブリブチチチチチブリリリリリリュリュリュルユウリュリュリュブリュユウ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!ブリブリブチチチチチブリリリリリリュリュリュルユウリュリュリュブリュユウ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」と絶叫した。
しかし特に何事もなく次のテーマに取り掛かっている教徒の群れの中に紛れ込んでいった。
白魔術くんは、朽ち折れそうな日もあったが、なんとか恒心教徒たちの間に減り込むことによって耐えている節はあったんじゃないか。
ハッセはどこかでと今でも思ってるかどうかはわからない。
でももうすぐ4年も経つんだと思うと何か、神秘的な気持ちで縁というものを感じざるを得ない。
尊師が言った「人は人を愛さなければない」という言葉の意味を教徒たちは永遠に考え続けていかなければない。
私はそう思う。
恒心教に出会ってはや5か月、俺は疲れ切った声で、言い続けた。
「出会いに感謝」
尊師の愛はきっと届く。声なき声に力を。




^5071599FA28D9819D032D24533FA66900C21156D245F5DE707^pimgpsh_fullsize_distr^BE3EFBB6E78E168F8E4B47D1E3D4CD1D9C30FD55292EBF9E68^pimgpsh_fullsize_distr