夜が巨大な死体

だめだだめだまた自分の頭をライフル銃でぶっ放したくなっている。死にやがれ!そう自分に向かって顔面一撃で跡形もなくなるほどの銃で撃てたらどんなに気持ちがいいだろう。辺りに飛び散った黒い肉と黒い血、それを真夜中に見た奴は思うだろう、いったい、どっちが闇なんだ?!ここにいるのは俺だけじゃないか、つまり死んだ人間を知らないのも俺だけじゃないか、俺以外、ここには誰もいないじゃないか、この死体が俺ではないと証明できる人間がいない、俺の心臓が本当に生きてるのかどうかも、死体が眠る夜がこの世界だとしたら俺が眠る時間こいつは動いてるんじゃないだろうか、そこで死んでいる人間がおれだとしたら、そうだ此処は色がないじゃないか、俺はいつ色をなくしたんだろう、思い出せない、これは違うぞ、孤独でもない恐怖でもない、そうだ、諦めだ、俺は諦めた人間だったんだ、死体に出会う前から、俺はなんにも何一つ望めない、それも違う、望めないのでもなく望まないのでもなく望む必要性が見えないのでもなく望むことをやめたのでもなく、俺はただ自分を失ったに過ぎない、何か違う、失ってもいない、俺はこの死体と自分の違いがなんなのかわからない、では俺は死体ということか?俺が死体なら俺は死体として生きて行く、だがそれを証明できるのはこの死体とこの俺しかいない、俺が死んだらきっとこいつは生きるんだろうけど、俺の死体はきっとおまえに証明なんかしない、証明できないから死んだよ、お前は嘘でもいいからお前が死体なんだと証明されたらお前は死ななかったが唯一証明できる存在の俺がお前に証明しなかったのは俺はお前に死んで欲しかったからだよ、俺はお前に証明なぞ望まない、おまえも俺に証明を望まない、でも俺は言ってやるよ、お前は死体だ!お前は死体だ!お前は俺の・・・・・・死体だ!さあ頼むよ、俺は今から死ぬんだから、お前の為だよお前の為だよお前の為に死ぬんだよお前が俺に言う為にだよそうゆう遊びをする以外しょうがないって世界だよってお前が俺に言うためにだよ俺は死ぬんだよ、夜と言うのはそもそも死体が眠るために在ったんだ、夜が巨大な死体だと証明するために死があったんだ、後から出来たんだよ死は、そんなものが永久に続くはずもないだろう、本当に続くのは死体なんだ、このどこまで続いてるのか解らない夜なんだ、夜と言う死体に抱かれて眠るのさ、俺は死体に抱かれたいんだ、だから死ぬんだよ、骨は白く血や肉は黒い、完全な夜だ、お前の死体も俺の死体も、死んでいこう。お前は他にできることがないんだよ、他になりたいものなんて、ないんだよ、ただ俺はおまえの喜ぶ顔が見たかったんだよ死体になって喜んだその顔が、お前は夜になったその顔が。だからこの頭を血と肉にしよう、そしてお前に言ってやる、お前は夜だ!お前は夜だ!お前は巨大なる永遠の夜だ!
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