Puzzle

いったいなんの世界に自分はいるのか、それがわかる例えばパズルのピースがあるとしよう、それはでも断片的なものばかり集まっても、一向にどんな世界に今自分がいるのかさっぱり解らない、そうゆう世界に僕はいて、それはゲームの世界だった。
断片は世界の鍵となるものであることは確かだったが、いくつ集まっても不確かな世界でそれでも僕らはゲームをしている。
いやゲームを楽しんでいる。
不安の大きいゲーム、廃墟と化した暗い洋館ごときの空間にはいつ何時恐ろしい敵が襲ってくるかわからない。
そして断片だけ集めてクリアして次のステージに次元と時空を超えてしんどい体勢でしか乗れない小さな乗り物に乗って飛ぶ。

断片しか見つからないというのが、面白いなと思ってね。
この世界もまったくそうなんじゃないか。
その断片を集めて、見て、ああこれぞ、これが何々だと思ってる。
それで次ステージへ飛んで、そこがまた違う世界だったりすると、また一から断片を見つけないといけない。
一向にパズルは完成されない。たとえグループで一緒に見つけて行動していても。
それが夢の中で僕は虚しくもあったけども、なんだか楽しくもあった。
どのようなゲームをしているのかさえわからなくても、なんとなく楽しくはあったし、恐怖や不安も大きかった。
つまらなくは、なかった。断片を出来るだけ多く見つけるという目的がちゃんとあったし、いつかわかるという気持ちがあった。
いつかはどのようなゲームの中に自分がいたのかきっとわかるという気がどこかにあった。
敵だと思っていた存在が実は重要な鍵を握る存在だったりもした。
恐怖から安堵感へ変わるあの幸福度を僕は思い出していた。
自分はそのゲームの中で、まだ幼かった。
僕に降りかかる事象はまだそんなに酷なものではなかった。
ママがいないとだめだった、ママのような存在が。
僕は本当にまだ子供だった。
一人で断片を見つけることはまだできないようだった。

わけもわからず僕は幼いままでクリアして、みんなと一緒に次のステージへと向かった。
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