LightgreenDreams

起きるのがひどく億劫で起きてすぐにお姉ちゃんといっしょに向かったけれど、取れた席は前から7番目くらいだった。
新作のジャケットに合わせて黄緑色の綺麗なライトが照らしている。
ツインが出てきた!
でも少し遠い。目の悪いわたしはツインがぼやけて見える。「一番前で見たかった・・・」そうわたしが言うとお姉ちゃんは「え~それやったらもっとはよ起きたらよかったのに」って。「ううぅ・・・」そう思って一番前の席を羨ましげに見つめた。
すると驚いたことに、一番前の真ん中の席にはお父さんとお兄ちゃんが座っていた。
お父さんもお兄ちゃんもエイフェックス・ツインが好きだったのか!(笑)とびっくりした。
もうライブが始まりそうだ。
よく見てみるとお父さんはセッティングで鳴らす機材の音のでかさに混乱して後ろの席に行きたそうに何度も後ろを振り返ったりしていた。
あっとわたしは思い、それならと立ち上がってお父さんに向かって「お父さん!」と呼んだ。
振り返ったお父さんに「席代わる?!」と言った。
お父さんは喜んで代わってくれた。
やった~という思いで一番前の席へ行き、兄の左となりの席へ着こうとしたら、なんとその席の左となりにはツインが座っていた。
ツインは腕をだらんとわたしの座る席にもたせ掛けていて、邪魔だ。わたしはなんと言ってよいかわからず無言でその手を押しのけて座った。
すると「ん?」という顔のツインはこちらを伺っている。わたしが恥ずかしそうにしていると兄が右から何故か挑戦的な顔でツインに向かってなんか言っている。ツインが好きなくせにそういったひねくれた態度を取るのは兄に良くありがちなことだ。
しかしツインは特に気にも障らずといった顔でこれから始まるライブの事で頭がいっぱいの様子。
気づくとわたしは差し出されたツインの右手の人差し指を握っていた。とても嬉しかった。ツインとは何か深い縁を感じる。
ツインは思ったより優しかった。黄緑色の優しいライトに照らされながら家族みんなでツインのライブを見た。













関連記事