うん
ふたりで無人島に行って暮らしたいなって
彼はおちこんだときぼくをつれてふたりで無人島へ行きたいとたまに思うと言った。(彼は僕に恋愛感情を持っていない)
すごくうれしいです、わたしも行きたいです、あ、でもみちたもつれて
みちたもつれてふたりと一匹で行きましょう。三人で
みちたはわたしがいなくなると路頭に迷ってしまうので
ではわたしもなんか連れて行きます。ラッコかマナティでも
水族館から盗ってくるんですか?
いや、島にいるラッコかマナティでも。一緒に泳ぐんです
おなかの上に貝を乗せて石でカンっカンっってするんですね
そうそう、それでムシャムシャって食べるんです
家は造るんですか?
そうですね、造るなんかがあれば。洞窟でもあればそこに住みたいですね
いいですね
なんて嬉しいことなんだろう彼はおちこんだときにはぼくさえいればそれでいいと思うと言ってくれた。(彼は僕に特別な感情を持たない)
その島でわたしたちはアダムとエバになりましょう
リンゴを食べてはいけませんね
リンゴを食べないと自由になれませんよ
でもリンゴを食べたら島から追い出されてしまう
ではリンゴを食べずにその島の神の支配下で暮らしましょう
はい
実はその島の神は蛇で神はわたしたちの目が開けるようにとリンゴを食べるようにぼくに言った。
ぼくはそれをわかっていたけれど、彼とぼくとみちたの楽園から追い出されるのは嫌だったからぼくは食べなかった。
彼もきっとそれを知ってもリンゴを食べようとしないだろう。
ぼくらは眠るようにしてこの偽者の神が支配するエデンで暮らすことを決めた。
そこは終わりの島で最後のエデンだった。
ぼくが死んだように眠るようにして目を覚ますのはそのためだろう。
ぼくの愛するきみはぼくを愛していない、そんなきみはぼくを無人島へ誘い、ぼくは彼の手をとってみちたを抱いて何も見えない闇の中、小さな船を出した。
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