無機質ガール

巨大な真っ白いスクエア型の天板が突如天上に現れてなんかゆうてる。
耳を澄ましてじっとして聴いてみると、どうやらずっと「プッシャー」ってゆうてるようだ。
なんで「プッシャー」ってずっとゆうてるのかはわからない。
それは、無機質な「プッシャー」という音だった。
人々は天上を見上げて思うた。
やっぱスクエアやしな、なんかこー、無機質って感じ?やっぱこーサークル型よりも、無機質に感じさせる感覚があるよね、角が4つあるものね、尖ってるものね、やはり角はね、そこがどうやら無機質さを人間の脳に感じさせる何かがあるようだよね、例えば僕なんかは円形は有機体、三角はオカルト体、四角は無機体っていうその分別力を信じているんだ、しかしその分別する力はいったい有機質なのかオカルト質なのか無機質なのかまだ僕には分別する能力がありません、でも今聴こえている「プッシャー」という音は明らかに確実といっていいほどの無機質さの象徴音だったってことを知らされて、すっご、も、くっやしっ、けど嬉しいな、まさか生きてるうちに聴けるとは、本物をね。
ところで無機質ガールとプラスティックガールは本質的に違うか同じか考えてたのに「ぷっしゃー」って音がうるさくて気が散って思考できないやんけ。
まぁそもそも、全体的に粒子やけど、って、え、じゃあ、無機質っていったい、何を以って無だというのか、もしかしてまさかこの世に存在してるすべて、生きてるんじゃ。
我々は天上を見上げた。プッシャーという音はいつの間にか鳴り止んで、音のない秋の夜風にわたしたちは包まれ、スクエア型の夜はいつしか不分明な形の夜に戻っていた。





僕が好きな無機質ガールの好きな曲はすごく感情がこもっていた。それは僕がとても好きな感情だった。
関連記事