光るみなも白い空 | December

December

もう7年前の26歳の12月だった、郵便局の年末期間アルバイトで働き出した。
彼氏の実家に居候していた時、警察沙汰な結末の末に向こうの親に引き離されて姉のうちに居候していた時だった。
倉庫のような場所で年賀状の仕分け作業を黙々とするのは楽しかった。
行きも帰りもコートのポケットに手を突っ込んで歩いてHeliosのEingyaというアルバムを聴いていたのを憶えている。
苦しくてたまらなかった時間、それが美しい想い出として蘇ってくる。
お酒をたらふく飲まないとこういう気持ちにもなれないが、酒を飲みさえすれば蘇るのなら、それは夢と同じだ。
姉が先日会ったときに言ったことを思い出す。お母さんもお父さんも向こうにいるから、同じところに行けるなら、いいかなぁ、って。
僕はそれを聞いて、複雑な気持ちになった。
ただ、僕は、どうなんだろうという気がした。
僕はお父さん、お母さん、お姉ちゃん、みんな居る場所に行けるのだろうかと思った。
僕はすべてが絶対死ねないと信じている。
永遠に彷徨い続けるしかないと信じている。
でも同じ場所で生きたいという願いがない、僕だけは遠ざかった場所に存在を願う。
わたし自身がわたしを許せないために、永遠に孤独でありたいと願う。
あの日は雪が降っていた。
あの日を憶えていない、その日に、確かに雪は降っていた。
水を帯びたとても冷たい雪だ。
私はわたしを嫌っていたその頭上に降ってきた雪だ。
それはもう形のない水でもない、どこにいったかわからない雪だ。





Comment

| URL | 2014.12.08 02:33
Eingya良いよなぁ。
"Coast Off"と"The Toy Garden"が特に好きだな。

僕も年賀状仕分けしたことある。たぶん、十八歳の冬。
地区ごとに分かれた木箱に入れていくんだよね。
真夜中から明け方まで。
途中、着物を着た父親が様子を見に来たりしたな…笑
白空 | URL | 2014.12.08 06:58

コメントありがとう。
CDRを送る前から好きだった?
"Coast Off"いいね。"The Toy Garden"はわたしも特に好きだよ。

あんまり憶えてないけど仕分け作業は時間が過ぎるのが早いし休憩時間を除いては楽しかったよ。
わたしは時間はたぶん早朝から夕方だったと思う。

お父さんけっこう心配性?というか仕事してる姿を見たいくらい可愛がられてるんだね。
良い思い出だね。
| URL | 2014.12.09 20:11
たぶん、CDの前かな。Eingyaは四年前から聴いてる。Heliosで一番最初に聴いたのは"Ayres"だった。

これや、ひとつ前の日記なんか、僕は好きだな。過去の苦しみが現在の自分に苦しみだけではない感覚を覚えさせるというのは、こず恵さんがずっと書いてきたものでもあると思う。これからもそれを主題として書いて欲しい。
白空 | URL | 2014.12.09 21:41
そうだったんだ。"Ayres"から入ったんだね。わたしは23.4歳くらいのときにファーストのUnomiaってやつから入って、かなりダークな曲が多いんだけどいい曲もあって注目してたんだぁ。

一つ前の日記って寿司のやつ?過去の苦しみが現在の自分に苦しみだけではない感覚を覚えさせるものが、あの日記の中にこもっているのを感じてくれたんだね。
わたしは何も考えて書いてないけどね。書きたいものを書こうとすればするほど、あまりいいものが書けなくなるようなんだ。
でも書いてきたものが何か同じことであって、それが伝わるのはとても嬉しいな。自分でも気づいてなかったことを。
主題などはそうやって読む人が感じ取ってくれたらいいと思うよ。
自分でいいと思える作品も、あまり書きたくなくなったかも。自分はいいと思えなくても、誰かがいいと思える作品を書けるほうがいいよ。自分の作品に執着するのが嫌になったんだ。

何にも考えずにまた書き出してるけど、書かなくちゃって気持ちで書くのがいやだから、ほんとに書きたくなったときしか手をつけてないありさまだよ。
| URL | 2014.12.09 22:19
そうだよね。書いてる本人は、殊更主題を考えているわけではない。
基調音のようなものだと言いたかったんだ。
天の白滝なんか、そういう作品だと感じて読んでいた。

まぁ、僕は楽しみにしているということです。
おたがい気長にやっていこう。
白空 | URL | 2014.12.09 23:17
書きたい風景的なものをすべていったん手放して、まったく離れた角度から書いていくと、自然と書きたいと思っていたイメージに近づいていくことがある。
天の白滝は、町田康の告白がなければ書けなかった話だし、あれほど愛せる自分の小説はもうずっとないと思うよ。
あの小説の続きはほかの小説で書いていこうと思ってるんだ。

ありがとうね、そう言ってくれると気力が上がるよ。
僕は追い込まれないと書けないから、君の期待に追い込まれて書いていきたいと思うよ。
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