玄関で何か物音がした
なんだろう、と思い僕は確かめに行ったんだ
すると、封筒が一枚落ちていた
うまく言葉で言い表しにくいけれど
その封筒はとても美しいと思ったんだ
差出人も何も書かれていない封筒
僕はそれを開封した
一枚の手紙が入っていた
そこにはこう書かれていた
“こんにちは
きみは どうして そんなに げんきが ないのでしょうか
きみに おしえましょう
きみが はなればなれに なった ひと いきもの たちに
あいたいの ならば おしえます
あいたい ですか”
僕は、それからずっとずっと、会いたい、会いたい、会いたい、会いたい
って心で言い続けた
また同じ封筒が玄関に落ちている!
僕は慌てふためき震える手で封を切り
中を見た、
あぁ、なんてことだろう!
僕は、わかった!
そこへゆけば会えるんだって!
僕は急いで友達に連絡をした
みちたの世話を頼んだんだ
そして、みちたにこう言い残した
「みちた、しばらくここへは帰れないかもしれない・・・
でも、僕は必ず戻ってくるよ、いいね、待っていてくれね
じゃあ、いってきます!」
僕は家を後にした
あぁ!なんてことだろうか!
この僕が行動を起こしているなんて!
まるで今まで生きてきた悲傷すべてが消え去ったようだ!
だってだって!僕は会えるんだ!
みんなに会えるのだから!
僕は嬉し涙を溢れさせながら歩いた
歩いた!
僕はやっと歩きだすことができたんだ
僕の心はとても幸せだった
何も持って来なかったことに気付いたが
僕は今までで一番の幸せを感じていた
会える、会える、会える!みんなに!
会いにゆける!
僕はその場所まで進んでいる
軽やかな足取りで強く深く地を踏んで
僕は進んでいる!
僕らは進んでいる!
僕は、そして帰って来る
みんなを連れてここへ帰って来る
少し、待っててくださいね