光るみなも白い空 | アンチクライスト

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アンチクライスト


アンチクライスト [DVD]アンチクライスト [DVD]
(2011/09/07)
ウィレム・デフォー、シャルロット・ゲンズブール

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「ダンサー・イン・ザ・ダーク」のラース・フォン・トリアー監督の2009年の映画
「アンチクライスト」を観た。

夫(ウィレム・デフォー)と妻(シャルロット・ゲンズブール)が愛し合っている最中に息子が事故で死んでしまう。
そして二人はある理由から深い森の中へと向かう。

今日の早朝に観終わった後なかなか吐き気がやまなかった。
昼過ぎに眠って目が覚めたら部屋が暗く、まだ18時半なのに闇の濃さが恐ろしい。
とりあえず一回目観た感想を書き留めておこうと思う。

ネタバレを避けられないので、興味のある方は先に観たほうがいい。



この「アンチクライスト」という映画は救いがないわけではない。しかし救いがあるわけでもない。
感動がないわけではない、しかし感動があるわけでもない。一滴の涙もこぼれようとしない。
“カタルシス”ではない。
この映画に“カタルシス”を求めることは、あってはならない。
私は求めていたつもりはない。
だから観終わった後がっかりもしなければ悪い評価をつけることもしない。
この映画は私の期待通りだったのかもしれない。
いや、期待以上のものだ。
ジャケットを観るのもおぞましい。
この映画を観る前までは一縷の光があり、この映画を観終わった後はそれが幻だったのだと感じる。
映画を観終わった後、私は自分の運命に泣くことすらできない。
“悲嘆”“苦痛”“絶望”にさらなる感情が合わさることから私は逃げていたのだろうか。
眠らされていた“恐怖”という感情が呼び覚まされたような感覚で、闇を怖れている。
どのようにしてこの映画に恍惚に浸りカタルシスを感じて感動できるのだろう。
感動がないわけではない。この恐怖とおぞましさは感動以外のものではない。
この映画はハッピーエンドでもなければバッドエンドでもない。
この映画を支配しているもの、それは“混沌”しかない。
どんなに苦しいものでもそこに救いを見いだせるなら救いを感じるだろう。
私は救いを見いだすこともしなければ救いを見いださないこともしない。
この映画はわたしにとって、そんなに容易く結論が出ては決してならない映画だからだ。
シャルロット・ゲンズブールが演じた妻の罪悪はわたし自身の罪悪に他ならないからだ。
彼女の罪悪は私の罪悪に似すぎている。
唯一、この映画に一つの場面で恐怖にほんの少しだけ勝る悲しみを許されるなら彼女がひとり闇深い森で自慰行為を行うシーンに自分の哀れな姿を映して観てみたい。
自分を憐れむことで一層の自分に対する憎悪を吐き気を催しながら産み出すことができたらいい。
私と彼女の共通点は、性的快楽に耽って愛する者を忘れ、その時愛する者は苦しみの中にいた、そして愛する者が死んだことを自分の最も重い罪悪にしていることだ。
彼女の場合は小さな息子で、私の場合は父親だ。
自分がたどる結末を見せられたような思いだ。
最近夢でよく父親に向かって怒り叫んでいるものを見る。
彼女が夫に向ける怒りと同じだ。
私を捨てないでほしいという切実な思いが自分を捨てるのではないかという不安から我を見失うほどの怒りに変容する。
まるでウィレム・デフォー演じる夫が父親のように見えてしまった。
観るのが耐えがたいシーンの多くはそのせいもあったのだろうか。
目が澄んで綺麗なところとか父親とよく似ている。
だからあの最後で吐き気がやまないのは当然のことだった。
これで涙を零したり、カタルシスに浸るならそれこそ狂気だ。
この映画は光以上の闇をわたしに与えてくれた。
ラース・フォン・トリアー監督に心から感謝の意を込める。

あらゆるものを消し去っていくとカオスに辿り着く。
しかしそこには消え去っていないものを人は見るだろう。
それが“悲嘆”“苦痛”“絶望”であり、そして“恐怖”だ。

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