おばあちゃんと孫

さっきまで、窓の下でずっとおばあちゃんと孫のマリちゃんの

声聞こえてたんだ

ずっと聞いてた

マリちゃんの鼻をすする音まで聞こえた

ずっと聞いてて、二人がとても楽しそうで、遊んでて

ぼくも幸せで

とても悲しかった

大きな音がして、二人の声が突然聞こえなくなって

とても寂しくなった




わたしにもおばあちゃんがいたよ

お母さんが死んじゃって、4歳と5歳の時間を

田舎のお父さんのおばあちゃんちに預けられてたんだ

おばあちゃんはすごくちいちゃくて、いつも背中を丸めて

おじいちゃんの仏壇のある部屋に座ってて

私もだいたいおばあちゃんと一緒にそこにいたんだ

縁側に座って、インコのたくさん入った鳥籠が見えた

そこでたくさんたくさんおばあちゃんとお話したんだ

おばあちゃんはとても優しくて、私がその場所で一番安心する人だった



おばあちゃんちにはお父さんのお兄さん家族が住んでて

おじちゃんもおばちゃんも優しかった

ご飯は美味しくて、お風呂に入るのは嫌だったけど

側には飼ってる犬がいた

夜には男の子二人と子供たちだけで二階で寝るんだけど

日本人形がいくつも箪笥の上にあって、とても怖かった

家の周りでよく遊んでた、隣の男の子と仲良くなって

その家には黒い怖い犬がいたから、いつも家に入る時と出る時怖かった

ぐらぐらする大きな石が並んでるところを、いつも二人で飛んで

落ちないようにする遊びをしたり、畑で遊んでた


電話のそばにある小さなメモ紙に絵を描いていた

おばちゃんが透明でピンクの可愛い靴を買ってくれた



そうやって暮らしてたんだ、お父さんとお兄ちゃんと離れて



そして、だいぶ経った頃、お父さんはおばちゃんから

わたしを養子に欲しいという話を聞いたんだ


その時の話をお父さんよくしてた、涙ぐみながらさ

お父さんがその話を聞いて、もう即おばあちゃんちに向かったそうです

そして、玄関の戸をガラリと開けて、お父さんが私の名前を呼んだ

その時のお父さんの心境は、ものすごく不安と心配で

わたしがお父さんのこと、もう忘れてもうてるんちゃうかって

ほんとに思ってドキドキしてたそうです



そしたら・・・

わたしが向こうから顔を出して、その顔はものすごい喜びに溢れてて

「お父さん!」と言って、わ~っとお父さんに駆け寄って

お父さんに抱っこされたそうです

それで、もうすごいホッとしたそうです

それでその日にお父さんは私を連れて帰りました


この話をする時お父さんはいつも泣いていました

わたしも、お父さんがいなくなってから、余計この話を

思い出すと、やばいです、泣いてしまいます

今も涙こらえてます(笑)




と、ゆう、おばあちゃんからかけ離れてもうたやないですか

おばあちゃんはわたしが8歳の時に死んでもうて

お葬式の日とかにもわたしは、子供らと一緒に走り回って

すごい楽しかったのを覚えています

そんな子供がいてくれるのは、大人にとって救いなんでしょうね




子供欲しいなぁ、孫が欲しい、おばあちゃんになりたい

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