そこは、上辺の世界だ。
水面には、光がたくさん反射する。
強い光をぼくらは吸収して生きている。
水の底は、とっても暗い。
真っ暗でなにも見えない。
そこには、ほんとうのぼくらが眠っている。
ぼくらのまだ知らない、誰も知らない自分が眠っている。
誰もまだ知らないからそこはとっても暗い。
そこで眠っているほんとうの自分はすべてを知っている。
でも眠っているんだ。
ぼくらのなかで目覚めることなく、まだ眠っているんだ。
すべてを知っているのに、まるでなにも知らない赤ん坊のように眠っている。
ぼくらはなにも知らず、光の水面を泳ぐ。
水面は眩しく、あまりに素晴らしく、底のないほど悲しい。
上辺の世界で、底のない世界を知ることがぼくらにはできるだろう。
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