灰色の海

君は海に一人でゆく

「海に行くと死にたくなるんだ」

僕は重く垂れ込めた曇り空の下の灰色の海が好き

「僕もだよ、あと、夜の海も好き」

僕も、吸い込まれそうになるんだ

「僕も時々吸い込まれそうになる ねえ、あの世って信じるかい?」

僕は信じるよ、救いが欲しいから

「僕も信じるよ 僕も君もいい国へゆけるよ」

誰一人残らずいい国へゆけなくちゃだめだと思ってるよ

「そうだね、昔は本気で天国へゆきたかったんだ

友達が天国で待ってますって書き残して死んだんだ

そのあと、僕も本気で死のうと思った」

僕らはいつか同じ場所へ行けるから大丈夫

大丈夫だよ

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