突然に

何か、その絶望感が愛しくなって

まるで青い海と空が広がってゆくようだったよ

何故か、あの絶望感は愛しいものになり果てて

僕の胸の中泳ぎ着いた

僕はもう何をされても目覚めないようだけど

幸せももう何もいらないんだけど

僕の中にあったかくなって記憶から帰ってきた

それはとても愛おしく清清しく

小鳥が温めた巣の中にいる卵のように

誰かに温められていたようで

何のために、何のためにかなんて知らない

ただふいに笑顔で戻ってきたから僕は驚いた

君が僕の中あったかくなって帰ってきたよう

この蜘蛛の巣のように張りつめた棘の間

ひょっこり擦り抜けてきたのか

冷たい小雨降る朝になって

絶望越えてやってきて僕に微笑みかけた

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