そとのせかい

ゴミを出しに、18日振りに外に出た

ドアを開けた瞬間、僕の目の中に鮮やかな田んぼの緑が飛び込んできた

もう稲が黄色い実をたくさんつけていた

階段を下りると道にはたくさん水溜まりができていた

ゴミを出したあと携帯を持って外に出た

写真をたくさん撮った

田んぼの近くを歩くと蛙が飛び跳ねてチャポンと田んぼに入った

雨が少し降ってきた

後ろで「おはようございます」と声がして振り返った

知らないおじさんが傘を差して歩いていて

僕も「おはようございます」とおじさんの後ろ姿に答えた

なめくじがたくさんいて、かたつむりを久しぶりに見た

ちっちゃいかたつむりもたくさんいた

「うわぁ~いっぱいいる」僕は子供に帰ったようだった

退屈で息苦しい部屋の中にいた僕には

外の世界はまるでおもちゃ箱だった

美しくて新鮮で喜びに満ち溢れていた


なんて、それはないよ、それはないね

だってカナブンは死んでいたよ

僕が踏んだかもしれない

つぶれたカナブンを見るのが怖くて

埋めてやることができんかった

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