君が愛したのは

僕が愛したのは君の孤独

僕が愛したのは君の悲しみ

僕が愛した君の影が一人泣いているよ

僕は何もできない

君を愛したのは夢のお話

君が愛した僕の影が一人泣いているよ

君は何もできない

僕を愛したのは夢のお話

ただ二つの影が声もなく泣いていた

こんなの愛じゃないよ、こんなものいらない

僕らはそれを捨てた

すると影がそれを拾って僕らに渡すんだ

(これだけはしっかり持っておくんだよ)

どうして?こんなエゴの塊いるもんか

でも影は黙って何度拾っては僕らの心臓に何度もそれを入れた


君が愛したのは僕の断片

僕が愛したのはずっとずっと遠い君

君が悪魔だったとしても僕の中では

いつまでも優しいんだ、あったかい大きな手なんだ

僕はただ君の影を抱いて泣いてしまうよ

僕が悪魔だったとしてもきっと君の中では

いつまでも優しい僕がいて、あったかくて

夢のお話を続けようか

僕らは夢を見ていないと消えてしまいそうだよ

僕らから奪わないで、それだけは

もう泣かないでいいなら

もう悲しまないでいいなら

こんな世界とっくに消えてるんだ

もうとっくに僕の眼には映ってないんだ

僕の心にはまだ全てがはっきりと映る

怖いもの一つもないなんて嘘さ

僕は怖くてたまらなかった

闇は怖ろしく深い時がある

ひとり震えているんだ

でも闇はいつか消え去る

そしたらそこに小さく震えているんだ

それは僕が落としたもの

僕はそれを拾い上げた

関連記事