今日僕はもしかしたら死ぬかも知れなかった
でも彼は優しかった
優しい顔をしていた
僕は死ぬかもしれないことをしようとしていた
たくさんの車が走っている
僕は彼の近くで一人でいた
お父さんとお母さんが側にいるかも知れない
僕は安心している
数分前まで死に近付いてた僕は安心していた
ここに来る前の満員電車の中で知らないおじさんが嬉しそうに話していた
「みんなを幸せにできて本当に嬉しい」って
…それは嬉しいよな
嬉し過ぎるよな…
僕は迷わず温かいお茶を飲んでいた
不幸なほうがずっとずっと幸せだよ
僕はそう思うことにした
そう思うしかなかったんだ
お父さんが聞いてた曲かも知れない
優しい曲
生きててよかったことはあっても
自殺で死んでよかったことなんて何もない
なんもないよ
でも大丈夫
大丈夫だから