バトルロワイヤルで当時カットされたシーン。
DVDでエンドロールが終わって現れる最後のシーン。
このシーンがどうしても残る。
北野武の存在がかもし出す表情、姿そのものが、
とてつもなく切ない心情で出来ている、とても悲しくなる。
字幕「レクイエム 中川典子と担任キタノの見た夢」
河原で、アイスを頬張るキタノと典子
キタノ「いいのかよ。」
典子 「え?」
キタノ「こんなとこ見られたら、また便所に閉じ込め
られんだろ?」
典子 「(笑って)ああいうの順番だから・・・・」
キタノ「つまんねぇか、オレの授業」
典子 「(思わず)はい」
キタノ「なんだと・・・(笑って)
授業で教室入ってくだろ?
おまえらみんな同じに見えんだよ」
典子 「・・・・・・・・?」
キタノ「昔は殴ってるうち、だんだん違いがわかって可愛く
なったんだ」
典子 「・・・・・・・・」
キタノ「今はダメだ。生徒に刺されても怒っちゃいけ
なくて、逆に殴るとこっちがクビんなる。
いつまで経ってもおまえら何考えてんのかさっぱり
わかんなくてよ・・・」
典子 「・・・一つだけ教えちゃおうかな」
キタノ「なんだよ?」
典子 「やっぱやめよ」
キタノ「このヤロ」
典子 「(笑って)先生刺されたナイフね、実は
あたしの家の机の引き出しにしまってあるの」
キタノ「(呆然)」
典子 「拾った時はどうしようって困ったんだけど。
でも今じゃなぜか大切な宝物なんです」
キタノ「・・・・・・・」
典子 「秘密ですよ、二人だけの」
キタノ「・・・なあ、中川」
典子 「はい?」
キタノ「こんな時、大人は子供になんて言ったらいい?」
字幕 「こんな時、大人は子供になんて言ったらいい?」
こんな台詞を大人から言われたら、きっと子供は
絶望と希望を同時に手に入れるような気がした。