悲しみを満たした身体が

僕を生かしている

お腹すいたよ、蜉蝣
僕の喜びを食べさしてあげよう
薄い羽根を僕がむしった
僕は怖かったんだ
得体の知れない恐怖に僕は狂わされようとして
空は静かに真っ赤に染まりたいんだろう
信じた証に殺されることにもうじき慣れるよ
僕は一人の部屋から抜け出せない
狭くても広くても同じ
僕は一人で部屋に篭っている
来客と楽しい一時を過ごして
来客が帰った後に僕は何が楽しかったのかさっぱりわからなくなって
また蜉蝣の薄い羽根をむしって
僕の今日の楽しい幻想を食べさして
僕はお腹はすいた
蜉蝣のお腹は、いっぱいになったかい、蜉蝣
次の日の夕暮れに新しい蜉蝣は飛んでくる
君もお腹がすいているのかい
じゃあ僕の空っぽな喜びを食べさしてあげよう
今日も来客と楽しい一時を交え
来客が帰った後に、蜉蝣は僕の元へ飛んでくる
僕が何の為に蜉蝣の羽根をむしるのかはわからない
今日の来客の夢を君に食べさしてあげるよ
僕には必要のないものだから
僕の脳の中から出てきた蜉蝣達だから僕のことよく知ってるのかと思ったけれど
彼らは何もわからないようだ
次の日に来客は自分の脳から出てきた蜉蝣を一匹残して行った
彼の蜉蝣は悲しみを食べる蜉蝣だった
蜉蝣は僕の悲しみを食べに近づいて来た
僕は怖くなってその蜉蝣を殺した
僕の悲しみを食べられたら、僕はいなくなってしまうからね
僕が死んでしまうからね
可愛そうなその蜉蝣に僕は話していた

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