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疾走、という映画を観ました
原作は読んでないのですが、上下とあり、長い作品を
二時間ほどに収めるのは難しかったのかもしれませんね
元々感受性の強い子が身の回りが崩壊してゆくにつれ絶望を深めてゆき
まさに若さゆえものすごい速さで疾走してゆく、思春期の危うさが破滅的にも
清々しく描かれています
主人公の手越祐也は甥っ子に少し似ていて、目に力がある子だなと思います
エリ役の韓英恵は「誰も知らない」で知ってクールなところが好きです
神父役のトヨエツは、トヨエツが好きになったことのない私が
初めて、好感を持てました、はまり役だと思います
あと、その弟役の加瀬亮も今回はとてもよかったです
やくざの情婦役の中谷美紀は、とても合ってないなと思ったが中谷が好きなのでいいです
主人公のシュウジは本当に家族が好きだったんだなと思い、哀しくなりました
兄を心から心配して、教会まで連れて行ったりして、でも兄は変わろうとはしませんでした
家族がすべてだったのかもしれない、私のように
だからその家庭が壊れてシュウジの絶望は本物だったのだ、まだ15歳とかで
こういった思春期の破滅的な話が昔好きでした
小説で「青の炎」など、あれはとても面白くて、読んだのは16,7歳あたりでしょうか
何か、そういった犯罪的だとか破滅的なことが本当に美しいと感じていた頃でした
あと小説「テロルの決算」なども好きでした
ただたんに、犯罪に手を染めるのではなく、何かとても強い信念で罪を犯す
そんなものに憧れていたのでしょう、若さの証拠でしょうね
そして、最後は必ず自ら破滅して終わる、というよな完璧なものが美しいと感じていました
この疾走もその頃に知ったなら、感動したかもしれません
どうもそのような気持が抜けきってしまった年を取った私には
あまりに若々しいその気持ちを忘れてしまったような淋しさを感じました
ただ、そんな中でトヨエツ演じる神父の悲しみが少し身に沁みるようでした
あまりに苦しいと、最終的にやはり人は神に頼るしかないのだろうな、と思いました
神に頼る人は弱い人間なのではなく、悲しみが深い人ほど神しか、自分を救えないと
わかるんでしょうね、人はそんなに強いはずもない
聖書の言葉が、神がどんなに自分にとって大きな存在であるかを
物心つかないうちに埋め込まれて来た私は、幸せだと、そう思うべきなのでしょう
そのせいで不幸になった、と考えてもしかたない
その不幸を救うのも、また神しかいないようにも思うからだ
主人公のシュウジも苦しかったから聖書にすがり
それを嘲笑って犯罪に走った兄のシュウイチも、本当に苦しくなった時に聖書を手に取る日が
来るかもしれない、と思いました
自分の中に神を持つ者は、シュウジのような破滅的な人生でも幸せであり
自分の中に神を持たない者は、どんな表面上幸福であろうと、不幸である
自分の為によく生きたいと思う者は不幸であり
誰かの為によく生きたいと思う者は幸せである
外では雨がよく降っていて静かな部屋の中悲しみと静寂はよく似ていると思いました
悲しみは深いほど静寂になろうとするのだろうな
その中で人は神を側に感じ、自ら救われるのだ、と思いました
浅いものはやはり必要ないね、さとるさん
あの神父のように僕もなりたい、とそう思った
自分を罪深いと感じている僕のような人間は浅くなってはいけない
深い場所へと行かなければならない
やはり僕と君は一緒に生きるべきなんだろう
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