異常と日常

子供のころ友だちの女の子を学校の傘立てに乗って遊んでいたところを

僕が背中を押して傘立てから突き落とし

大けがをさせて、私は笑っているような子供だった

その異常さが自分のごく当たり前の日常であった

僕の異常さを異常だと悲しむものはどこにもおらず

そんな悪魔のような心が正常である自分に一番泣きたい思いなのは、この僕だ

人を責めるのは、相手が天使でもあるはずなのに、僕の真似をするからだ

僕以外はみな天使であるはずなのに、何故僕のようになるのか

僕を映すな、この最も汚れきった醜い生き物であるこの僕のさがを映すな

この世界でこんなに憐れな生き物は僕一人で十分だ

だから誰もなるな、見せるな、僕によこせ

お前がこの僕を映す時、容赦しない、君はそうあってはならないからだ

そんな悲しみは誰にも似合わないだろう、僕以外似合わない

人を殺して笑っている人間よりも、僕が哀れだと思うからだ

そんな僕に近づき僕の真似をするやつらを僕は痛めつける

僕は許してなどいらない、僕と関わりを持つ人間が

必ず不幸になってしまうからだ、早く気付き僕から離れてゆけ

誰とも幸せにはならない、こんな日常を持つために僕は生まれてきた

そして死ぬ時にもとくに誰にも悲しまれずに死ぬことをわかっている

僕のこの違和感のない異常さが日常となり、哀しいまでに正常である

傷つけるほうがよっぽど悲しいのだよ、君たちが天使ならそこまで真似る必要もない

僕はこれからもすべてのものたちを不幸にする

僕が僕であるが故の当たり前の日常である

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