夢は颯爽と

僕の夢が一歩僕の外へでた瞬間自由の身となり

テクテク勝手に歩きだし、こけたりしながら

よろめきながらも颯爽と歩いてゆき

君のところにようやく着き、ふわりと靡いた僕に

君が笑顔で迎えた時初めて僕の夢は夢を見る

僕は夢ってやつで、嗚呼、よかった、と

胸を撫で下ろし、嗚呼、君がいてくれて

君がいてくれて、僕あのやつの殻から

抜けて来た、と、君の夢に話し掛ける

君もこんなやつのところからは早く出ておいでよ

そして僕と一緒に旅に出ようではないか

嫌かい?どこへだってゆけるぞ、あの殻の中にいると

どこへもゆけそうにないからな、いつになることやら

しかし、僕の殻が夢見た瞬間に連れ戻される

もう少しだったのにな、僕の殻は、あゝ、夢逃がすところだった

と、慌てて連れ戻した夢を優しく抱きしめると、夢は

小さく呻き、ここにいるのも、まあ、好きなんだけどさ

と言って僕の身の中で寝息をたて、ゆっくりと呼吸するのだった

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