あの日の雪をあなたは覚えているでしょうか

あの日、あなたは行きたいところがないか僕に聞いたね

僕は京都の宇治に行きたいと言った

あまりに近い場所なんで、あなたは微笑んだ

一月の宇治には雪が積もっていたね

美しくて楽しくて切なくて

ずっとずっとあなたの隣に僕はいた

ずっとずっと僕の隣にあなたはいた

僕はあの時も何に悲しんでいただろうね

あなたがまだ側にいたんだ

それでもいつもより少し元気な僕を見て

あなたはきっとほっとしていたんだろう

あの日の雪がお父さんと僕が一緒に見た最後の雪だった

僕は、まだあの日を思い出すと泣いてしまいます

とても、楽しい最後の記憶だったような気さえする

あなたがいなくなってからは目に映る美しい景色や

一緒に聴いていた音楽、あなたが見えるいろんなものは

すべて悲しくてたまらないものになったけれども

美しすぎるんです、あなたを映すものだけが

僕は愛しくて愛しくて、またあなたに触れるように

それらに触れたいと思い願って、でも一人では

悲しすぎて見れないかな、でも見たいや

あなたを側に感じたいからです

お父さん、また一緒に雪見に行こうね

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