手羽元の骨をじっと見ていると

これは骨なんだな、と、そう思った

私は父の骨を見たことがない

灰すら見ていないんだ

火葬されてそれからは

何年後かに無縁仏の墓の前に行った

うちは母がエホバの証人なので墓がないんです

私も死ねば無縁仏の墓に入ります

とてつもなく寂しい場所だった

そこで姉と兄とビールを飲んだが

居たたまれなかった

せめて一握りの灰でいいから持って帰りたかった

ひとつの小さな骨でいいからそばに置いていたかった、と

どこまでも、どこまでも、淋しさが僕を襲い

時に宥める、いつだって傍にいるんだけどな

いつだって、お父さんを一人にしたことなんてないんだけれど

いつか、一緒にビール飲めるって信じてるんだけどな

あと、どれくらいだろうな、って気が少し遠くなったりする

僕の骨もきっと誰にも見られずに灰になるだろう

お父さん、すべては、遠くへと、遠ざかってゆくようだよ

僕は、死んでからも、もうずっとお父さんの傍を離れないです

私はあなたが一番手に焼いた心配をした娘なのだから

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