ちいさな家

すきなひとだあれもいない

だからぼくがこの手でつくりだす

ぼくのこどもどこにもいない

だからぼくがこの手でつくりだす

温かくて帰りたい家がないよ

だからぼくがこの手でつくりだす

こんなまよなかにちいさな声で

ひそめうたいながらつくりだすの





ちいさな家をつくったよ、そこで僕ら暮らそう

綿毛の舞い上がる庭で僕の子供が走り回っている

僕が追いかける、子供と同じ顔で笑いながら

あなたは縁側に座りながらそれを見て微笑んでいる


かなしいことがあると、あなたはなにも言わずそっと

僕を抱きしめていつもぼくよりも先に泣いてしまう

僕が泣けなくなってしまって、かなしんでいられなくなると

そんな僕を見てあなたは泣きやんで、ふわりと笑う


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