恍惚の水

こんな夢を見た

私は髪の長い人魚だった

四人の人魚で暗い水の中を泳ぎ何かを運んでいるようだった

そこは広い洞窟の中のようだった

別の洞窟か洞窟の外にその運んだものを流した

少しほっとして私たちは何かを待っているようだった

ふと私は左のほうの洞窟の穴から覘くと

ここよりももっと黒い世界でその中で、まるで祭りかなにかのように

何人かが水の中に入り騒いでいた、人もみな焼け焦げたように黒く

私はそれを見て怯えていた

















場面は変わり

白い部屋に僕はいた

まだ人魚なのかはわからなかったが

そこに一人の少年が入ってきた

まだ少年であるその存在に抵抗できない力を感じた

僕は縛られ監禁されているようだった

その少年から性の愛が僕に降り注がれた

僕は何故かその少年とは交り合ってはならないと強く感じ

抵抗したが少年の柔らかい腕が心地よく

抵抗しながらも、その恍惚とした感覚に酔い痴れていた

そこからは実に奇妙で不思議な交り方をした

僕の肉体も少年の肉体もまるで溶けてしまったように

それをあとで思い出すと、あれは水のようだった

少し瀞みのかかった生温かい水と水が絡み合っていた

恍惚だけを残し、白い世界のその中で溺れていた
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