小さな神  

いつも僕の中で泣いているものがいる

僕の中に住む神だ

小さな小さな神

いつも泣きながら僕に言うんだ

(ぼくをひとりにしないで)

泣き虫で弱っちい小さくてさみしがりな神

僕がそんな神は忘れて生きてると、僕の中でひどく泣き必死に僕を振り向かせ言う

(ぼくはきみのかみだぞ、だからきみはぼくをいちばんあいさなくちゃならない)

ほら、抱っこ、高い高い、笑った

僕はまるでこの小さな神を子供のように愛し育てる親だ

一瞬笑ってもすぐ泣き出す やれやれ

僕は言うけど普段は君を一番に愛しているよ 誰もがそうさ

君を尊敬している

君を喜ばせることだけを僕もしたいな

小さな神のカオスさ

僕は君を生かす、そしてすべてが生きる
君は僕を生かす、そしてすべてが微笑む

そこでは誰ひとり殺さないんだ 殺されないんだ

こんな小さな神僕と一緒に死ぬんじゃないか

僕は死んだよ そう、死は無だ







なにしてる?

(作ってる)

なにを?

(世界)

途方も暮れ過ぎる時間を要し小さな神が大きくなって世界を作りあげた

僕をもう一度作ってその世界に住ませた

そして神はまた小さくなり僕の中に住んだ

覚えている、君を

忘れはしないよ

すやすや 僕は小さな神と一緒に眠った
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