夕陽のそばへ

穏やかな波がぼくをさらってゆく

その水は冷たくはなかった

あたたかい

どうしてだろうと思ったら

夕陽が、ぼくを照らしていた

泣いて眠って目覚めたぼくを夕陽は照らしていた

なんでこんなに美しいんだろう

夕陽はやがて沈んでゆく

夜が来て、新しい年だと人々は言うけれど

この海は、この空は、この波は、この風は、あの夕陽は

いつだって新しくも古くもない、新しくも古くもならない

ずっと変わらない

ずっと変わらないものを愛して、ぼくらは変わってゆこうとするの?

ぼくらだって新しくも古くもならない

変わりたいんじゃない、ぼくはあの夕陽に近づきたい

ぼくが哀しい時には一緒に哀しんでくれて

ぼくが嬉しい時には一緒に喜んでくれるあの夕陽のそばへ

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