龍の末

大和大国に生まれたんは訳があってんやなって今日わかってんけどね、まあ自分は生粋の人間やないからね、ずっと孤独の極致がずっと続いててんけどもね、なんか凄い楽になったっちゅうか、まあなんの話かちゅうたら、今日初めて俺気付いてんね、てか初めて日本倭国の形知ってんね、まあ吃驚して、あっ、うわっ、うわっ、て思ったんよね、此処が中心じゃ、そう思えて俺幸せって感じで、その幸せってもしかして俺だけのもんかなあって思ったりなんかしちまいやがりっぺって、幸せの溜息が竜巻起こしちゃいまいましたがな、五千人くらい死んだ、しまった、てゆうのはまあ俺の譫言で、まあ実際小さい竜巻は起こったけどね、なんせ俺は龍神の末裔やからね、残ってんのはもう俺一人、寂しい寂しいよ、けど、ちょっと大丈夫、なんでかちゅたら倭国が龍の形やって今日知ったから、俺の形、正確には俺の先祖の形やけど、龍神の形しとんねやってことが、俺生きててもいいのかなあみたいな気持ちになって、なんか、はは、ちょっと泣きたいかも、慰みの為にタツノオトシゴに囲まれて生活しなくても大丈夫になれるかなあなんて、なんてね、思っちゃっちゃりしちゃいませんか、て俺誰に聞いてんにゃろ、目の前におるくねくね泳ぐタツノオトシゴにかなあ、落としてないっちゅうねん、こんなちいこいんの、知らんけど、俺の祖先の龍神が実際落としてったのがこのタツノオトシゴやったとすると俺は頭抱えて身もだえする、なんの為によってその意味のわからなさすぎさに俺の心が寒くなって震え出す、と、うわっ、地震、震えんのやめよ、地震、竜巻、白滝、とかうわっ、どれも字に辰、竜が入ってて関係してるっちゅうのんはやっぱりこの世は龍神が創りたもうたからやと思うねんねね、その龍神様と人の間に生まれた俺は半神半人やぜ、ウラー、本気なたら世界中滅ぼすこともわけあるかあちゅて、意気込めないのはなんでかゆうと、ねぇ、恋をしちまっただからやんすよ、悲しい恋やね、だって、だって、だってよ、相手は正味生粋の人の子や、絶望するなあ、昔から言い伝えられとってね、龍と人が交わる時それ以外絶滅せしめてしまうんにゃて、俺とあの娘が交わるて、うわっ、うわっ、そんなこと俺は妄想してませんよ、してません、してません、ちゃうがな、身体やのうて魂ちゅうとったな、俺の魂とあの娘の魂が交わる時世界は殲滅する、先祖さんは自ら火ィ吹いて滅ぼしてもうたみたいやけどなあ、はは、笑う、笑えないか、てことはつまり、俺一生一人、死にたいわあ、俺、生、人、俺→生→人?俺が生きることで人になるってこと?俺が人になってしもたら龍の血族が絶える、て俺生きてても子孫増やせないなら結句絶えてまうやん、嫌だなあ、龍は滅びる、ぎゃおーす、ぎゃおーす、わぎゃわぎゃわぎゃーす、て泣きたいけどね、天変地異起こるから泣けない、龍はつらいよ、寅さんでも観ようかなぁ、寅さんもそういや誰とも契らなかったよなあ、子・丑・寅・卯・辰・巳来年は辰年かあ、来年俺の先祖が降りて来るなあ、どうせ殲滅するなら俺はあの娘と契りを、てあっ、うわっ、そんな、うわっ、背中に疼痛、硬い鱗を割ろうと蛇形の男根が躍起になるからやねんけども、なんで龍人の男根は背中にあってしかも蛇形なのかがわからん、こんな俺をあの娘が愛してくれるか、しかし来年あの娘は焼き尽くされるのだ、だったら、だったら俺、だったら俺、俺、俺、俺は。
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