黒い泉

僕の眼から黒い雫が落ちるのを僕の眼から見ている。瞬きをする度眼に映るすべてが滴となって僕の眼から流れ落ちる。僕の心が映すすべては瞬く度宇宙の泉の中へと滴り落ちる。君はその泉から生まれたのだ。君はその泉から手で水を汲みその口に含むだろう。僕の闇の雫は滴り続ける。僕の泉が涸れる時、君の眼から雫は零れ落ちるだろう。僕はその泉の中へと入ってゆく。僕の体が見えなくなり、泉の中に絶え間無く君の雫は滴り泉は潤うだろう。君は今僕の泉の中で眠っている。すべて忘れ、そして覚えている。すべて思い出し、そして忘れるんだ。
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