夕方ごろに起きて、しんどくてまたすぐに横になったんだ。
狭く散らかった部屋に、お父さんとお兄ちゃんと私が雑魚寝してた。
お兄ちゃんの荷物が置けなかった。
お父さんもお兄ちゃんもなんでこんな狭い部屋に引っ越してくることになったんだろうと思った。
私の右隣にはお父さんが寝ていた。まるで恋人のような感覚に思った。
目が覚めた。右隣を見るとお父さんはいなかった。
暗い部屋に豆電球の明かりだけがついてて、電気をつけようとリモコンのボタンを押しても電気がつかない。
起き上がって電気をつけようとするんだけどうまく立ち上がれない、電気を見上げて必死につけようとしてもついてくれない。
暗い部屋が怖い。電球が切れたのだろうか、コンビニにも売ってるだろうか、不動産の前山さんに電話したら買ってきてもらえないかな、暗い部屋が怖いよ、怖いよ、早く明るくなって欲しい。
目が覚めた。リモコンのボタンを押す、やっぱりつかない。
薄暗い部屋で、怖くて手を伸ばして、みちたを撫でた。ふわふわしていた。
みちたが死んだら私は生きてけないよ。
ダークな音楽が流れていた。ダークな音楽が好きなのだから、ダークな現実に耐えようと思った。
みちたがトイレに駈けてって、私の手から離れて行った。悲しさに襲われる。
ひとりにしないで。
目が覚めた。素早くリモコンのボタンを押す。眩しい電気がついた。みちたも眩しそうな顔をしていた。
やっと、やっと、本当に目が覚めた。電気がついたんだ。これは現実だよ、電気がついたんだからね。現実なんだ、ここが、現実の私が今これを書いている。
ここから目が覚めることは、もうないのだろうか。
ないの?
ある?
目が、
さめますように。
とか言って目が覚めてここよりつれえとこならどうするのよ、どうするのよ、何にも考えなくていいよ、今与えられてる世界を私は生きようよ。いきるよ。それしかねえもんな。