鬼畜以内

放心状態だよ。

北の神様、南の神様、西の神様、東の神様、に御報告。
「お風呂に入ることができました、ありがとうございます」

鬼畜神のおかげで私は全身をしんどくて洗うことができませんでした。ありがとうございます。
そんなことを言って鬼畜神を怒らせる。
誰のおかげで鬼畜生の世界で生きていけてると思っているのか、あなた。とゆうて怒られたら
私は鬼畜生界を抜けたい。と言うたら、あなた。
あなたはまだ鬼畜以内だから抜けられないよ、と言って鬼畜神は自愛甚だしい顔で笑う。
あなたはわたくしを愛しておられるか、と問うと。
わたしは自分しか愛していない、とゆうて、有手、ああ鬼畜神よ、あなたの手は、有る。
滾滾畜生魂畜生僕等の今畜生。

ってゆう宗教を創立しようかと思う強固の語呂。今日この頃。
その名も「根治教(こんちきょう)」
その名も「魂地教(こんちきょう)」
その名も「畜生友会」
「餓鬼以内の方々に手厚いエールを!」と叫んで地方を廻る。
あなたは今日の一日でダニと見えない生物たちを一千万匹殺した、救われたいなら私たちの「こんち苦境教」に入りなさい。と言いながら各地を点々と廻る。
あなたの手は穢れている、鬼畜神の自愛でその手を清められよ。byこんち桑教。と書いた紙をばら撒きながら屁ッをこいてその場でくるくる廻る。
「チクワはやっぱり恨畜輪、丑三つ時、このチクワであなたの嫌いな人の頭を叩けばあなたの呪いは叶えられたも同然」という謳い文句で売り出した商品が年間二本の売り上げ、黄竹会社、倒産。借金3257円。
どうにかしてこの借金を返さなくてはならぬ!と鬼畜神のキャラクターを原案、シロイルカのような生き物に額に鬼という文字が刻まれ頭には三本の尖った角、尾っぽは煌びやかな三連と実にかわいらしい鬼畜神のぬいぐるみお守りが爆発的にブームとなり年間三億の売り上げ、果ては本物のシロイルカに鬼と書いて角を生やさせ鬼畜神に乗れる島「鬼畜夢ランド」を建設。月に五億の売り上げ。

それを見ていた鬼畜神はついに激情、自分を顕現させたシロイルカの額には神、角は五本生えた、尾っぽも七連。

戦いの時がやって来た、きゅるるるるるぅ、くるくるくるくるるるるるるぅ、と互いにしろいるかは見合わせて、きゅるっくるぅと鳴いて掴み掛かった。燃えるような激しい戦いであった。
私たち鬼畜どもはそれを見守っていた。
嗚!なんてことだろうか!鬼畜神の顕現したシロイルカが僕等の作ったシロイルカを食べて、でっかっくなってるぅ!やばい!
僕等は手に槍を持ちほかのシロイルカの上に跨り、テヤー!と鬼畜神に向かって泳いで槍を突き立てた。
強大な鬼畜神はきゅるきゅるん、と鳴いて僕等を投げ飛ばした、僕は笑いながらこの手を使う時がとうとうやってきた!と叫んだ。
鬼畜神は少し不安そうにキュル?と振り返った。
僕は実はもうひとつの宗教を創立していたのだ、それは「美しさの集い教」というもので全世界の美しきものを寄せ集めた美の頂点となるその美とは、つまり愛だった、集まったみんなの愛でできたこのおむすびを食らえ!と僕等の血と汗と涙の結晶でできたおむすびを鬼畜神の口の中へぶん投げた。
鬼畜神はごっくんきゅるきゅるるうぅと飲み込んだ。
そして鬼畜神は言った「意外にうまいね、よしおまえらわしんとこへこい、毎日これ作ってくれ」と言うと世界をぐわああんと大口開けて飲み込んだ。
僕等はその腹ん中のおむすび調理臓で毎朝毎晩愛有るおむすびを作ってはそれを鬼畜神の胃の中へ運んでいる。
嗚、鬼畜以上となる日はいつの日か。

了。
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