光るみなも白い空 | ドアホーン

ドアホーン

「太田光のしごとのはなし」っての読んでて、ここからおもしろいなぁと思って。
http://sp.pia-es.jp/ota_shigoto/shigoto_16_4.html

失恋した人と遺族は同じという話から、自爆テロを行った人たちの話になる。
これを読んで思ったことは、彼らは神に見捨てられたと感じたとき、死ぬしかない、ということだ。
宗教、というだけで偏見を持つ人はたくさんいるのだろう。
私は宗教に入る人たちが好きだ。それがどんな宗教、でもだ。
悪そうな宗教もたくさんある、それらは慈悲の顔で微笑んでそれを眺めるのでなく、不気味に思いながらも、恐れながらも、そんなものに救いを求める人たちが好きなのだ。

私の母親は、一部の人間らの間でカルト宗教と罵られているエホバの証人という宗教団体組織の忠実な信者であった。
エホバの証人の人たちはできる限り他者の血を体内に採り入れることを避けたいと思っている、それは「一貫して血は神聖なものであり食べることは禁じられているという旧約聖書の教え」から血を食べることと、血を採り入れることは同一の意味を持っていると考えているからだ。
母は42歳の時乳がんを発病したが、医者が薦める手術を受けず手術以外の方法で治そうとしたのは手術が怖いということと、輸血することを拒んだことも理由のひとつにあるように思う。
私が小学生低学年程までうちにエホバの証人の人がよくうちに来られて父と三人で研究と呼ばれる聖書についての勉強をしていた。しかし父の忙しさからじきに遠のいてしまい、他の家で毎週行われて兄と二人で行っていた集会というものにもだんだんと行かなくなってしまった。
中学に入ると、私はエホバの証人をひどく憎むようになった。
母はエホバの証人という宗教のせいで死んだのだ、と思うようになったのだ。
近所に住む幼馴染のエホバの証人の女の子と下校中何かで言い合いになったときに、そのことを彼女に言うことはやめようとずっと思っていたのだが、ぽろっと言ってしまった。その憎しみをぶつけた。彼女は反発もせずただつらそうな顔で黙っていた気がする。

それからももう一度違う内容で反発したことがある。聖書の言うハルマゲドンという救いのことに関して議論になったときに一撃で相手を瞬殺するような言葉を投げたのだ。
その時も彼女は黙り込んでしまった。よほどこたえたのだろう。
私はそれからもう二度とエホバの証人に反発をしたくないと感じた。
それからも別のとても親しくしてくれた人にいくつかの疑問をぶつけたことはあった、それを言われた彼女の表情からとても苦しいことを私は彼女に話していると感じた。
それらの言葉は彼女たちの全人格を否定する以上の言葉であるとわかった。
自分の神を否定される苦しみを私もわかる、私も神を愛する人間だからだ。
私の神はエホバの証人のいう神ではない。どこかで決められている神ではない。
が、エホバの証人のことを悪く言う人の言葉はとても苦しい。
宗教を馬鹿にする人間を私は馬鹿にする。

引っ越してきたこの家にしょちゅう訪れてくれる天使のような人がいる。もう一年以上もの付き合いとなるが、いまだに互いの顔も知らずドアホーン越しの会話しかしたことがない。いつも学んだ聖句を読んでくれる。
こないだ風呂に湯をためているときにちょうどチャイムが鳴り、出たら彼女だった。
「なにかしておられましたか」と言われ嘘を言わない私は「お風呂にお湯をためていました」というとごめんなさいと謝られ彼女はこう言った。
「2,3分でもお話できますか?」と。
私は少し返事に渋っていると「ごめんなさい、やっぱりまた今度にしましょう」と言って帰った。
私が渋ったのは、もうすぐ湯がたまるということもあるが、ドアホーン越しの会話がいつもとても聞き取りづらいからである。でもそれだけじゃなく、私は避けているからだ、醜き自分は聖なる人に息苦しさを感じている。でも断ることもできないから対応している。

人と声を出して会話をすることがめったにないような私に向かって彼女は言ったのだ「2,3分でいいから話したい」と。
ああ、なんてこった。私は彼女のその言葉を断ったのだ。
私が男なら、惚れるやろう、惚れてまうやろ、とかゆうてるやろう。なんてこった。なんということだろうか!
そんな天使のような天使がこの腐ったものであふれた大変な世界に存在しているという美しさ。苦しさ。

私は、汚れきっている。彼女に触れることができない。彼女を断つことができない。

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Author:白空
1981年8月4日生

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食肉、ペット、毛皮、動物実験の現場ドキュメンタリー映画EARTHLINGS
ナレーション:ホアキン・フェニックス

音楽:Moby

『アースリングス』

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犬や猫も生きたまま毛皮をはがされている
残酷な動物実験をしている会社から化粧品、洗剤類を買わないという選択ができる
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