忘却の彼方

忘却の彼方にあなたはいた。

しかしあなたはようやくわたしの右目にきづいた。

あなたはわたしの右目を見て何よりも美しいと思った。

しかしあなたはまだわたしの右目しか見ていない。

わたしからあなたに聴く。

わたしのほかのものはあなたにとってみにくいものであるか。

わたしの左目、鼻、口、喉、胸、手や足、それらはあなたにとってみにくいものですか。

あなたはそのすべてを自由に思い描くだろう。

わたしはあなたの主以外にあなたの世界にあるすべてのものを忘却する者です。


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