透明な鳥は透明な虹を選んだ

五日前のことだった

ふいに景色が浮かんだんだ

僕の胸の中から透明な鳥が一羽飛んでいく光景だった

隣では、あの人が寝息をたてて寝ていた

携帯で打ったんだ、透明な、ってさ、そしたら、その次に、虹を、って出てきた

最近、そんな言葉携帯で打った覚えないのに

虹を、って押すと、次は、選んだ、ってでてきた

だから、僕は、そうか、透明な鳥は飛びだって行って透明な虹を選んだのかと思った

でも、その透明な鳥は記憶を持っていないから、僕が連れ戻すんだ

でも、記憶を持っていないから、また飛びだってゆく、そして透明な虹に止まる

その鳥が一体なんなのか、よくわからなかったんだ

でも、今わかったよ、あの鳥はあの人なんだって

もう会うこともできなくなった、あの人に違いない

あの人が隣で眠っているときにその光景が浮かんだのも、これを暗示していたんだね

透明な鳥だから、やっぱり透明な虹が落ち着くんだろう

僕は咎めたりしない、僕もやっぱり、同じ虹を選んだのだから

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