
「ノルウェイの森」の映画を見たのだが、なんか観終わったすぐはそうでもなかったのだが
じわじわとつらくなってくる映画だな、じわじわと欝になっていく。
なんでかというと、やはり私の愛する女優、菊池凛子が演ずる直子のことを思い出すと、なんだね。
まあ関係なく俺はなんもなくてもしょっちゅう欝に入るのだが。
まあ感想が大の苦手な俺に何期待しても無駄だが、つらい映画だなぁ。
まあ悲しい、本当に悲しい映画であるとそこに救いというものがあるのだが
なんでこの映画はつらいばっかりで救いがないのか、というと
ちょっと中途半端過ぎるんだね、直子の悲しみがほんの少ししか描けていない、直子を主人公にしてほしかった俺は。
松ケン演ずるワタナベは脇役でよかった。
ワタナベはどうでもよかった、その脇役を主人公にしたのが駄目だった。
菊池凛子は主役級だぞ、コノヤローちゅうてね。
まあ、そこがもったいなき映画であったな。
直子を主人公にさえしていれば、もっと悲しく、もっともっと深い絶望を描けただろうし
映画を見終わった後に、ただつらいだけのものでない、ただ空虚的な鈍痛のようなものでない、何か大切な何かに気付けるものがそこにあったと思うんだね。
やっぱりそれに気付くには、中途半端な悲しみ絶望を描いても無理なんだね。
もし、ワタナベが最後一人を選んだら、もう少しはいいエンドではあった、しかしワタナベが全てを駄目にしてしまった。
この映画を駄目にしてしまった男、ワタナベ、彼のせいで直子の苦しみを無駄にされたようなものすごい腹立ってくる。
腹立ってきた、ワタナベ、なんなんだあいつは。
ワタナベもものすごい苦しんだのはわかるのだが、しかしあいつ立ち直り早いなあ。
その性格、憎いよ、ちょっと、むかむかとしてきたが。
俺はワタナベはどん底に落ちて良いが、直子には立ち直ってほしかった。
それはワタナベ=村上春樹に思えてくるからかも知れないが、まあそれを言うと個人的な恨みが入ってて駄目だが。
まあ村上春樹を読むことはますます苦行だということがわかったが、まあちゃんと最後まで読みたいね。
直子は好きだから、俺。
ワタナベはもっともっと苦労しろ、苦行をしろ、おまえに幸せは似合わない、そういう気持ちだね。
そして、そして、ワタナベがさあ死ぬときに、まあ死ぬまでどう生きるか、死んだあとまで俺は見たいのよ、その途中でやめた春樹がやっぱり一番憎い。そこで諦めたあんたが憎い。
まあそういった読者を置いてけぼりにするような本も多いだろうが、やっぱり親切でないね、最後まで書ききらないと言うのは。
俺はだからやっぱり春樹が嫌い。
やっぱり猫が好き、みたいな感じでね言い続けるだろうけれども。
やっぱり俺は直子が好き。直子は一番純粋なんだね。
キヅキの存在はまるで双子のような、もう一人の自分のような存在だったのだろう。
なんかね、わかるんだが、恋人でもなんかこの人自分に近すぎるなあと思うと
恋人以上の存在になって、家族、兄弟みたいな感覚になって、その男女の行いが不自然に思えて、違和感を感じるんだね。直子もそうだったんじゃないか。だからまったくの他人のワタナベに対しては、性欲も普通にそこにあったと。
その気持わかるんだね、よく。それってすごい複雑な気持なんだね。
好きなのに、なんか恋人として、じゃないのかなぁ、恋人としては駄目なのかなぁ、って不安になる、相手にもさせてしまうんだね。
直子はそこに気付けなかったか、気付いてても苦しくてならなかったし、気付いたところでキヅキがいないからね。
そういった自分、もう一人の自分を失った感覚の人にしかこれはなかなかわからないんだね。
その苦しみ、空虚、悲しみはどんなものか。
私にとって、それは父親であっただろうし、また母親でもあったように思うんだね。
まあ見ての通り、普通には生きていけない。
もういい年なんだけれども、まったく働きたいとも思えない、あったかくなっても外にぶらっと散歩に行きたいとも思えない。
さっきも何週間か振りに外へ出て、うわもう桜咲いてんのかてびっくりしたが。夜桜ね、いいね。
ひとり、ではね何もできないし、したいと思えない。まあレンタル屋さんくらいは今日も行けたが。
まあ俺は生きているし、死ぬまで生きようと思ってるから、生きる気むんむんだから直子ではないのだが、だからといってワタナベにされるとすげえ嫌だが、俺はどっちかてとワタナベなのか、ってことは俺は春樹なのか、嫌だなァ、なんか屈辱だなぁ。
俺は春樹に向かうのか、嫌だなァ。
俺は俺だよ、うん。
俺は、ここに、お、れ。て自分にゆうてるんですけれども。
つまり俺の友だちも俺の恋人も俺ただ一人ってことなんですよ、ね。
孤独、そう、それは人を苦しめるもの、なくてはならんもんなんだね。
僕よく生きているよね。何故なら今は僕ひとりじゃない、いつも側にみちたくんがいるからだ。
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