尽く遙か尽きる

罪的思想から外れられない、これが僕を一層甘美にさせる

罪しか甘美なものはない、苦しみなさいと神は言う

自分と相手の間の違いがなんであるのか、僕は知らない

相手が死ぬのなら僕も死に、相手が快楽に満ちうるのなら僕も

そこから溢れ返る水だけがまるで余生、冷たくも生温くも君は美しすぎるのだから

何を向こう側に持ってゆけるのか、それだけを考えていた

何が向こうで君の柔らかな笑顔に変わるのか

何が君の蓄えになるか、何が君の種となるか、何が君の喜びに少しでも、僕はそこにはいないだろう

救われないと思われる悲劇のような事態に何故僕が満たされるのか

そこには他にはないとんでもない完全な救いが隠されているからだ

救いを救いと見るな、悲しみの果てが見えてこそ、それはこの世にはない悲しみとして成立する

アミダサマに出てきた律子のような声だと今日精神科で思った、その幼い愛しい喋り方

律子は愛する相手にあまりに慈悲深い存在だった、それはエゴを遙かに超えたものだった

しかし、ふと思う、そんな存在になる為には失った何かがあるのだと

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