人はまどろみの中にいると、それは起きている状態じゃないんだよね、だから夢は忘れてゆく。
そう、もうだんだんと忘れてゆくんだよ。夢なんて。
俺の兄弟的な人が、ある男に突っ立ったまま腹を何か鋭利なもので刺されるのを俺は後ろから見て咄嗟にその男に向かって俺は叫んだ。
「その男は、お前の妹の将来の子供を持っているんだぞ!」
俺は自分で叫んでおいて、ちょっと意味がよくわからなかったが、それは真実であって嘘を叫んだ訳ではなかった。
しかし俺の大切な兄弟的な人は立ったまま気絶死していた。悲しかった。
俺の兄弟は、すなわち俺の母にとっては息子であった。
息子を亡くしたお母さんと私は一緒にいた。
それはまるで蓮の葉の上に二人ひっついて共に悲しんでいたように思う。
てか全然忘れてしまった。
でもお母さんが夢に出てくるって本当に珍しきことだから、嬉しかったし、もう忘れてしまった。
そうやって母を知らないが母はいつまでも母であってほしいと願う思いがここにあるのだなぁと思って、やはり俺は。
そうやって見守られてる気がするからこうやって、俺の一生がここに存在している?
とにかく思ったより全然書けなかった俺は途方に暮れるでもなく時は結構早い朝であり、いい感じの朝、なんて自分を中心にして世界を考えないでほしい。
わからない、人は一時の安らぎも許されないのか、一時の安らぎだけは許されるのか。
あぁ、そうか、夢の中でしか、やっぱり安らぎなんてないか。
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