だから君がワニの着ぐるみ来て、はい、そこ土手の下前はどぶ川流れてる、その向こう見るようでもない目で、一言、ぼそりと言う、はい。
「俺、わからんねん、だから、俺、わからんめん」
ハーィハイハイハイハイーカットカットー、わからんめん、てなんや、ちゃんとゆうて、はいもっかーい、あとウサギの頭もうちょい深めにかぶってー、はいヨーイ、ッ。
「俺わからんねん」
「そんなことゆうたかて僕もわからへん、僕にいい考えがある」
「どっちやねん」
「ハーハー、この自転車に乗ろうよ」
「乗れんの?それ、川にはまってたからサビサビやん」
「うん、あっ、思ったより乗れる、漕げるわ、ちょっとどこ行くゥ?」
「そやなぁ、あ、俺ちょっとトイレットペーパーが切れてるから」
カーットカットカットォー、こらぁっ、そこ素ゥなってるー、ちゃぁんとセリフ言ってよー、素ゥ出さないー。
あ、すんません。
「そやなぁ、行きたいところとくにないけれども、ちょっと後ろに乗ろうかな」
「あ、そう?僕ほんじゃ前にのさせてもらいまして、じゃあ漕ぐよー」
「うんー」
ここで音楽入れる、と、なんの曲が合うかなー緑のワニとフラッシュピンクのウサギがチャリを二人乗りする一番とも言えるシーンや、一番大切なシーン、目玉シーンやな、やっぱここはこの曲しかないなぁ・・・。
「俺、わからんねん、だから、俺、わからんめん」
ハーィハイハイハイハイーカットカットー、わからんめん、てなんや、ちゃんとゆうて、はいもっかーい、あとウサギの頭もうちょい深めにかぶってー、はいヨーイ、ッ。
「俺わからんねん」
「そんなことゆうたかて僕もわからへん、僕にいい考えがある」
「どっちやねん」
「ハーハー、この自転車に乗ろうよ」
「乗れんの?それ、川にはまってたからサビサビやん」
「うん、あっ、思ったより乗れる、漕げるわ、ちょっとどこ行くゥ?」
「そやなぁ、あ、俺ちょっとトイレットペーパーが切れてるから」
カーットカットカットォー、こらぁっ、そこ素ゥなってるー、ちゃぁんとセリフ言ってよー、素ゥ出さないー。
あ、すんません。
「そやなぁ、行きたいところとくにないけれども、ちょっと後ろに乗ろうかな」
「あ、そう?僕ほんじゃ前にのさせてもらいまして、じゃあ漕ぐよー」
「うんー」
ここで音楽入れる、と、なんの曲が合うかなー緑のワニとフラッシュピンクのウサギがチャリを二人乗りする一番とも言えるシーンや、一番大切なシーン、目玉シーンやな、やっぱここはこの曲しかないなぁ・・・。
Ian Brown - F.E.A.R. (UNKLE remix)
で、音楽が終わりましたー、ここで突然ワニが後ろから大声でウサギに問いかける。
「ちょっと・・・・トイレしたくなってきた、って俺の代りに監督にゆうてくれへン?」
コラコラー、なにをボソボソゆうてんのーセリフにないとこアドリブ入れないーゆうてるでしょー。
へっ、監督ゥ、すんませーん。ハイ、ソコデ大声で言うシーン、ハイヨーイッ。
「あのさーッ、クロコダイル持ってへんー?」
「あー持ってないなぁ、今はボクゥ」
「マジかー、ちょっと俺ヤバイわぁー、どうしよー」
「マジでマジで?どうするぅ?シンナーならあるけど」
「俺シンナーは好きちゃうねーん」
「あっ、ほんまにぃ、困ったなぁー」
あーちゃうちゃうー、そこはちっとも困ってないように見える顔でゆうんだよー馬鹿やろーモッカーイ。
はい、監督・・・・。
「あー、ほんまかー困ったなー」
「なんでもええから錠剤系とかないー?」
「ないなー」
「ないかぁ・・・」
二人はポンコツチャリを乗り捨てて、とぼとぼ歩いていく。
切符を買って各駅停車に乗る。あてもなく・・・。
まばらな乗客。ワニは座って誰に言うでもなくつぶやく。
「たいやき喰いたい・・・」
「マジで?僕持ってるよ、たいやき」
「うッひゃっひゃっひゃっひゃっひゃー、マジかよーすげーじゃん、喰おうぜー」
「うん、喰おー^ω^」
ムッシャムッシャムッシャ、ってちょったんまーマジで美味そうに喰ってどないすんのよ、そこはあくまでこんなんで慰みにもナりゃ死ねェって感じで喰ってくんにゃきゃさぁー。
へっ。。。監督、わーりました。
で、ここは第二の名シーンになる想定だから、ここいっとくかーカぁーこの曲をドンと。
で、深刻さ極まりない感じで二人は電車を降りる。
駅のトイレットに入り連れションをする。
そこ、お二人本当にすっきりしたようなさわやかな顔しないで?怒るよ?監督もう怒っちゃうよ?
スイーヤセン。
ペコリ。
あくまでけだるさマックスを強調、で、ハイ便器の上に書かれた落書きの字を追う、ワニ、ウサギに自分の陰茎一瞬見てから言う。
「ぉ、なんだこれ、クロコダイルぽっきり千円でシホウダイ、詳しくは℡してちょ、09094594594」
「苦地獄地獄死か・・・・」
「どうする」
「どうする?」
「おもしろそうだから掛けてみよう」
「そうしよう」
アッ、イタ、イタタタタタ、すんませーん、監督、ちょっちんこがチャックんとこに引っ掛かっちゃって・・・。
なァにをやっとるんだー君はー、早くしまえー。
ハイッ、しまいます・・・。
で、はい、ワニは自分の携帯をどこからともなく取り出して素早く番号を押す。
はい、繋がったー、相手と交渉。ウサギは静かにそれを見守る、カメラ下がって二人を後姿をちょっと上から覗くように入る。で、ここで次のミュージックスターァッゥ♪
ちょ、チャルメラのおっさん止めてきて、君、真剣なシーン撮影してるから鳴らさないでって言ってきて。
はいっ、監督っ。
「うん、ワニ公園の公衆トイレで待ってたらいいんですね?はい、わかりやしたー。ガチャンツーツー、よっしゃー手に入りそうー」
「よかったねワニ君、僕も一度やってみようかなぁ」
「うんうんやってみなよー、一緒に飛ぼうぜィー」
二人はワニ公園におもむく、ワニはワニの乗り物へ、ウサギはウサギの乗り物にまたがる。
ばねを揺らして二人は子供のように揺れてはしゃいでいる。
ここでワニの追憶シーン。
ワニは小さい頃、お母さんワニに頭をがぶられて8針縫ったトラウマになった記憶を思い出した。
でもワニはお母さ大好きだったにも関わらず、ワニを捨てて行方不明となったお母さん。
ワニは、ふとワニの乗り物にしがみつくように抱きすくめる。
ウサギはなんて声をかけていいかわからず、自動販売機にビールを2本買いに行く。
アサヒドライかエビスかどっちにしようか迷っているウサギ、15分悩んで結局ワニと半分ずつ飲もうと思い、アサヒドライとエビスを一本ずつ買って、ワニのところに戻る。
ワニがいない。便所でも行ってるのかと思い一人でエビスを開けて飲む。プシュュ。
街頭に照らされたウサギの乗り物に乗ってる自分の影を見下ろして、交尾してるみたいだなぁ、と思いトラウマが蘇り、ワニの乗り物に移動する。
おもむろにシンナーを取り出し、吸うウサギ。
Lamb - Heaven
一時間くらい待ってもワニが帰ってこない。
やれやれ、便所で寝ちまったか、あいつ、我に帰ってウサギは便所の一戸だけ半開きになってるドアを開けて中を見た。
ワニはクロコダイル売人に切り裂かれたのだろう、死んでいた。
ウサギはグチャグチャになった顔のワニにそっとキスをして、持っていたクロコダイルを自分の左腕に打った。
外で虫が涼しげに鳴いていた。
END
エンドロール流れ出す。
Danger Mouse & Daniele Luppi - Season's Trees (feat. Norah Jones)