暗いところで洗濯を回していた
暗くて怖くもあったが暗くない場所はないようだ
闇の中に蠢くもの、それは猫だった何匹もいる
見ると窓が開いていた、わたしは急いで閉めた
猫を逃がさないように、わたしの慰みである猫を
出口を塞がれて猫たちは半狂乱の如く暴れ出した
中にはうちで飼っている猫も混じっている
危ない、まだ生まれたばかりの猫たちがいるのに
わたしは不安になりながらもどうすることもできず眠った
一匹の猫に腕を噛まれ目が覚めた、宥めようと猫を撫でた
猫は噛み付いたままだ、目を開けてみると猫の目は化け物のように
鈍く光り、また耳は猫のような形と違っていた
撫でても猫はさらに激しく今度は腹の方を噛んできた
このままでは食い殺されてしまう、この猫は何故こんなに怯えているのか
これは猫ではない、一体何が猫をこのようなことにしてしまったのか
わたしだろうか

現実に戻され思う
あの化け物と化した生き物はわたしが温めたばっかりに苦しむ運命を
もたらされ、わたしを恨んでいるうずらではないか
わたしが温めなければうずらは痛みも痒みもなく生まれる前に死ぬことができたのだ
うずらが生まれるかどうかはわからないが、今
殻の中で苦しみもがいていないかどうかどうわかることができよう
死よりも誕生させることこそが幸福なのだと、そう思うことが間違いであったなら
生よりもただ苦しみを与えられたくないことがうずらの願いであったなら
うずらがわたしを生涯恨んでもしかたあるまい
生かされることが、殺されることと全く同じなのだと、そう言いに来たのだろうか

次には今度は獅子に何度も襲われそうになっていたが
わたしは何を恐れているのか
それは、わたしがわたしの中に生まれるか、死ぬかとしている一個の
得体の知れない化け物のような思考である
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