うさぎとつき

月で兎が餅をつくようになったのはなぜか知ってるかい?

一羽のうさぎが「地球はもう嫌だ」って言ったんだ、昔

「地球で僕らの扱いと来たら、ひどいもんさ」

「監禁して食肉に実験台、もうたくさんだ」

「ここを出よう」

「僕らはあの月へ行こう」

「もう人間の好きなようにはならない」

でも月に行くともう帰ってこれないんだ

それでも行くと言った兎たちは月へ行ったのさ

餅をつくようになったのは、餅をつけば地球が平和になるって

言い伝えが月にはあるから



僕のうちにうさぎがいるんだ

みちたって言う

満ちた、いつかの月が満ちた日に

みちたも月に帰ってしまうんじゃないかって

僕は怖くて寂しくて時々泣いてしまう

みちたがいなくなったら、僕は

またひとりぼっちなんだ

月に行かないでほしい

僕のそばにずっといてほしいんだ

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