ぬかるみ

暗い食卓には御馳走が並んでいた

僕は「暗いところで食べるのも好きなんだ」と言った




草は緑に光る晴れた空の下、湿原の上を歩いていた

足を前に出すと気持ち良くも不安げにぬかるんだ地は僕を受け入れた

泥はとても柔らかく冷たい

日に照らされても、この場所は影を好んでいるみたい

細すぎる体の鶴か鷺のような鳥が何羽かいて、近づくと、少し遠ざかる

僕は両手に透明な青く綺麗な巨峰のような実を持って柔らかいそれをゆっくり握り潰した

青い水が僕に飛んだ



目が覚めて現実は夢より色褪せていると知った

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