化け物
くだらないぜ偽善者、偽善者偽善者偽善者嗚呼偽善者、善人ぶってる偽善者よ、俺はお前みたいな人間が大嫌いなんだ、化け物め、姿を現したな、さあその顔を見せろ、どんな醜い顔してやがる?嗚呼とんでもないぜ醜い、嗚呼醜い醜い醜い、ほんっとにお前醜いなあ、化け物、化け物化け物化け物嗚呼貴様はほんに化け物ぞ、俺の顔、俺の顔、俺の顔、其処にあるのは間違いなく俺の顔、醜くゆがんで口が耳もとまで裂けてらア、真っ黄色の歯が剥き出し、涎を垂らしてるね、嗚呼こわ、コワーコワーコワーと発狂した鴉のように泣き叫んでるのは俺である、俺は随分探したのに、この一生のうち見つけた本物の化け物、それが俺という化け物、だけ、だけだけだったから恐怖戦慄物語がここから始まる、いやもう随分と前に始まっていた、が俺はすぐ忘れちゃって、忘れてないはずなのに忘れてる自分を産み出してるのではないか、俺は何度自分の顔をした化け物を見て慄いているのだろう、恐れている、こんなに怖いものはない、どうしてそんなに怖いのか、もしもし俺よ、俺参与、俺はこの計画に加わって相談を受けようかな、俺は化け物に相談できないものかやってみようとしたが、相談をうけたまわる化け物はもはや化け物じゃないから不可能であった、俺はさんざんと恐怖したのちにパアーッと世界が明るくなったのである、この世界に俺しか、たった俺しか化け物がいないなんてそんなのって素敵じゃなあい?本当だわ、こんなに嬉しいことはないよオリオンソースそしてオーロラソースよ、実際それは素敵なことこの上なかった、なんだ俺しかいないじゃん、化け物って、俺は幻覚を見せられてるんだな、ヤクチュウと変わらないよ、こんなものこんなものこんなもの、俺はその壮大な仕掛けの世界という壁紙をひっぺはがした、その暗闇に一人こっちを向いて頭を垂れ込んで虚ろな目の俺が立っていた、リングのゴングが鳴った、カーン、俺が俺を殺そうと襲い掛かってくるこんな毎日、なんて素晴らしい世界なのか、俺を殺す、いや殺せ、いや殺す、殺す殺せ殺す、俺と俺の間で情熱が飛び交ってる、こんなに嬉しい世界があろうか、俺は歯をガチガチいわせて逃げまくった、逃げてる、逃げてる最中だ、ほら、俺の後ろ、すぐそこ、ほら、いる、俺が凶器な鈍器を手にして、ほら、俺の頭、カチ割れる、脳味噌四散という資産、カーンとゴングが鳴った、やったぜ、俺は勝った、勝ったぞ、ははは化け物めが、ははは俺が、俺の真っ黄色の歯から涎がたらたら垂れてしょうがないなぁ、もう、しかし俺の肉って旨いね、殺して解体した俺が午後の日の中鳴いている。