多くの人を残虐に殺し、そしてその死体をまとめて白い布でくるんで廃墟となった工場の壁にちょうど良い隙間があったのでそこに隠した。布は血に滲んでこれじゃ一発でばれてしまうから工場にあったガラクタを立てかけて隠した。しかしそこは私服警官の巣であり私服警官は私をいぶかった。とうとう死体は見つかってしまったわたしはちょうどそこに立てかけてあった長いゴルフクラブを振り回し私服警官を殺そうとした、が、取り押さえられてしまい警察車両に入れられた。私以外の警官姿の小学一年生くらいの大きさの老人が二人何故か後ろに犯罪者として乗せられていた。私は警察車両の後ろでも暴れた、前の席との間にある白い壁に悪戯書きをしまくった「オレンジ色のペンが欲しい!むらさきのペンも欲しい!」「着くまでに食堂に我らを連れて行くべきだ!」などと叫び倒した。しかし何も聞いてもらえず刑事施設に到着した。案内された場所は広い灰色の無機質な部屋、その一面はガラスの壁で出来ておりその向こうの部屋が丸見えに見える、そこには何人もの男が立っておりこちらを伺っている。ガラスの壁のこちら側にはガラス壁に面して長い机が置かれ、椅子がいくつか並んで置かれている。私は向こうから二番目の椅子に座らされた。車両に乗っていなかった男たちもぞろぞろと部屋に入ってきて椅子に座らされた。机の上にはあらゆるものが置かれていた。何錠もの薬、一枚の文字が書かれた紙切れ、青い毒のようなものが入った小さな瓶、それ以外にもごちゃごちゃとあった。これは普通に考えるとここは死刑執行場で、この青い毒で苦しまないためにこの何錠もの薬を飲むと言うことではないのかと思ったが、どうやらここは死刑執行場ではないようだ。ではこの青い毒のようなものと何十錠もある薬はなんなのか、そう思って怯えていると私の左二つ隣の席から男が立って私のところへ来た、自分の薬を持ってきて私の机の上に置いたのである、見ると睡眠薬であった、どういうことなのか、これはつまり私が苦しまぬように自分を犠牲にして自分の分の薬を私にくれたということか、するとその男は他の男の薬も奪って私の机の上に置いた。ガラス壁の向こうの男たちが男に注意した、どうやら「戻せ」と言っているようだ。しかし男は自分の席に戻ったまま動こうとしない。私の机の上にはタミフルともう一種類の薬がばら撒かれていた。薬は死刑囚によって違う薬が配られているらしい。その薬を取りに私の左三つ四つ向こうの席から男がやってきて、自分の薬を返してもらおうと私に両の手の平を向けて待った。その男は宅間守であった。私は、あ、どうもすんません、という気持ちで焦ってそのタミフルなどの薬をかき集め宅間の手の上にばらばらと落とした。宅間は机の上にあった紙切れに書かれた一文を指で示した。そこには「小さな鯖何匹物のその全額の半額を払えばいい」と書かれてあった。宅間はへらへらとして言った。「俺ならこれ、でっかい鯖二匹のその一匹分払えばええってゆうね、そのほうがなんや得した気分やろ」宅間は優しそうな顔でそう言ったのである。ガラス壁の向こうの男たちに注意され、宅間は席に戻った。
という夢であったが、宅間の言ったことがなんのことであるのか、私は考えてしまうのである。